こんなシリーズがあったのか


 「パ・リ・ラ」が結構いい曲でMVを見漁ってたら、ランキングに入ってきたのがこれ。
 再生数もそれなりにあるし、人気のシリーズらしい。まぁ、パ・リ・ラの時点で晴れしか連想できないけど……(笑)。

冒険者冒険者ギルドの話(おまけ・その2)


 さて、今回ソードワールド冒険者ギルドについて調べていて、もう一つ驚いた点がある。ソードワールド2.5のルールブックI、367ページの記述「冒険者ギルドは、依頼人から依頼料を得て、そこから冒険者に対して報酬を支払っています」だ。
 シティ・コレクションには、ソード・ワールドの「冒険者の店」は「仕事の斡旋や情報のやり取りを仲介する程度」だと書かれている。この記述に基づくなら、「冒険者の店」は依頼人から「斡旋料」あるいは「紹介料」を取り、依頼人冒険者が出会った後(斡旋された後)は関知しない、というのが普通だろう。2.5では明らかに記述が変わっている。あるいは踏み込んでいる。

 これの何に驚いたか。サイバーパンクRPGGMに慣れている人なら共感してもらえるかもしれない。2.5の記述、つまり「冒険者ギルドが冒険者に報酬を支払う」に基づくと、依頼の完了確認を冒険者ギルドが行う必要があるのだ。

 分かりやすい例を挙げよう。

 ある子供が、自分の村が蛮族に襲われたといって、村人から預かったなけなしの金を持ってギルドを訪れた。冒険者ギルドは、これを憂うべき事態と認めて、冒険者を紹介した。すると、冒険者はほどなく戻ってきて「あの子供はスプリガンで、途中で襲い掛かってきたから殺した」とギルドに申し出た。


 さて、この場合、ギルドはどう対処すべきか。もちろんGMは、メタ的な視点からは冒険者が嘘をついているかどうかは分かる。しかし、冒険者ギルドの人間、という作中の登場人物はそうではない。依頼主は本当にスプリガンだったのか。冒険者は子供殺しをしたのではないのか。報酬は支払われるべきか、否か。
 斡旋の場合はこういった問題は生じないか、あるいは少ない。何故なら、冒険者の店の仕事は「仕事を斡旋する」ところまでで、斡旋料を受け取ったところで冒険者の店の仕事は終わっているからだ。その後は依頼主と冒険者の問題だ。しかし、報酬を全額ギルドが預かるとなるとこうはいかない。

 あるいはこんな場合はどうだろう。

 とある地下迷宮の奥深くの魔法装置に封印されていた魔法の道具が、邪悪な神の信徒に盗まれ、祭器として祀られている。これを奪還して、元あった迷宮の魔法装置に封印して欲しい、という依頼が、装置を作った魔術師の子孫からあったとする。ただ、その子孫にはもう力はなく、自力では解決できないし、迷宮にも赴けない。
 ギルドは冒険者に依頼を行い、しばらくして冒険者は戻ってきて「目的は完遂しました」と報告してきた。


 この時、冒険者は本当に依頼を達成したのか、それとも達成したと嘘をついているだけなのか。本当に確認するなら、パーティメンバーではないギルドのメンバーが同道しない限り、真相は分からないだろう。口で達成したというだけで、果たしてそれを信用していいのか──特に、ゴブリンを煙で燻し出したり、面倒くさいからと屋敷を丸ごと燃やしたり、人質のいる塔の地下に穴を開けて人質もろとも塔を倒壊させるようなプレイヤーがいるプレイグループなら、なおさらだろう。
 繰り返すが、斡旋だけなら話は依頼人冒険者の間だけで済むのだ。後者の例で言えば、たとえ冒険者依頼人を騙したとしても、それは達成を確認できない依頼人の問題と割り切れる。その上で、他のゲームであればコネクションなどを使って他のモチベーションを作れるところ、それをしないのはゲームシステム側の問題だ。
 しかし、報酬をギルドが払うとなると、これは冒険者とギルドの間の話になってしまう。

 どちらの例でも、冒険者が仕事を完遂したのにギルドに疑われる、あるいは冒険者がギルドを欺こうとした場合、破綻が起こる。特に前者は悲惨だ。プレイヤーの行動が何ら問題ないのに、そしてメタ的にGMがそれを把握しているのに、それを確認する手段がないという世界設定上の問題でストレスを掛けられることになるからだ。
 ここで、昨日の問題がもう一度浮上する。これが、盗賊ギルド、魔術師ギルド、神殿と色々な組織が並び立っているなら、盗賊ギルドに無用の疑いを掛けられたら魔術師ギルドに接近する、神殿に身を寄せるなどの選択肢が取れるが、冒険者ギルドは他に代替手段がなく、しかも地域を超えて繋がっていることから、場所を変えてやり直すこともできない。疑われているとわかっていてもそのギルドに赴かざるを得ないという、辛い状況に置かれる。
 とはいえ、このストレスを回避しようとすると、昨日の状況も合わせて考えるに「依頼に裏は用意できず、依頼の仲介にも裏は用意できない」ことになるため、非常にストーリーが平板になる。

 ソードワールド1.0からわざわざ変更してこの仕組みに変えた以上、上記のような不都合を覆す、何らかの理由があるはずだろうが、その辺りはルールブックに全然書かれておらず、全くの謎である。依頼主に裏切られるような案件だった場合、ギルドがある程度補填してくれる制度があるとかなのだろうか。それも一切書かれていないが……。