ツッ込みその2


 DQXとDQWを両方遊んでいて、今回のガチャで「あれ?」と思った人は多いのではないだろうか。
 DQXに登場する女神ルティアナの武器は杖ではなくて弓である。これは単にグラフィック上、弓を持ってるとかそういうレベルではなく、この弓を入手するクエストがあったり、専用ムービーで弓を使って戦うシーンがあったりするので、印象に残っているプレイヤーは少なくないはずである。



 まぁ、実装済みの武器とのバランスの関係で杖にせざるを得なかったのだろうから、そこは否定しない(笑)。

DQX、第5章の話

 折角話が出たので、ついでにDQX第5章の話をしよう。



 面白かった。以下超絶ネタバレありのため折り畳み。











 第5章のストーリーの肝は、何といっても「主人公(以下プレイヤーキャラクター、PCとする)は何故『大魔王』になったのか」という点。ここがどんでん返し要素になってるわけだけど、第3章や第4章の反省を生かし、無理のないストーリー展開になっている。
 結論を言ってしまえば、一種の叙述トリックに近い。



 最初にドーンと意外なテーマをぶつけておいて「でも『大魔王』の定義はまだ明かされてないよね?」というのがオチだ。DQの過去作が一種のミスリードで、魔王というからにはモンスターを統率して世界を滅ぼそうとしている邪悪な存在とかそういう想像をしてしまうけど、実はDQXにおける魔王は「魔族の国を治める王」。つまり「魔界という世界の国王」という位置づけである。
 では、魔王を上回る「大魔王」とは何か、という話なんだけど、これは「魔王たちを束ねる存在」である。この時「束ねる手段を問わない」のがミソで、力を以って他の魔王を打倒し、武力で魔界を統一しても大魔王だし、魔王と魔王の間を駆けずり回って必死に調停役を務めても、それはそれで大魔王だ(厳密にはもう一つ条件がある)。言うまでもなくPCは後者である。

 じゃあそもそも魔族って何なの、というのが第5章の主題。創世の時代、女神が生み出した大地アストルティアを巡って女神と邪神が争う中、邪神の強大な力に抗しきれなくなった女神が、邪神の力(魔瘴と呼ばれる)で汚染されたアストルティアをそこに住む者たちごと切り離したのが魔界であり、取り残され魔瘴により変貌したのが魔族である。魔族がアストルティアに侵攻してくるのは、魔瘴による汚染の続く魔界から、汚染が少ないかつて生まれた大地に戻りたいという本能だ。
 こう聞くと、魔族の侵攻にも彼らなりの事情があるよね、という話になるのだが、現実のようにややこしい話にはならず、邪神──異界滅神ジャゴヌバを倒せば魔瘴も消え、魔族が侵攻する理由もなくなるよね、という話に落ち着く。



 この他にも、散々伏線だけ張られて放置されてきた魔族ピュージュとか、呪術師マリーンのエピソードがちゃんと決着したり、今度こそPCの兄弟姉妹の汚名が返上されたり、綺麗にまとまっている。最初「PCが大魔王です!」と言われた時には「オイオイ大丈夫か」と思ったけど、大どんでん返しを用意した割には物語も破綻していなかった点は、ちゃんと過去の反省を生かしていて評価が高い。
 ぶっちゃけ私の評価は、2-1-5-4-3くらいだろうか。勇者アンルシアが登場する第2章から続けて5章でもよかったくらい(笑)。PCが王様になるっていうのも、DQ5とかを考えるとドラクエ的な王道っぽいし。

 ただ、やることはやってしまったので、6章はどうなるんだろうという気持ちもある。まだ始めたばかりなので評価はできないが、今回くらいのクオリティを保ってくれると良いのだけど。