エトランゼヤバい

ゲーマーズ・フィールド 22nd Season Vol.1

ゲーマーズ・フィールド 22nd Season Vol.1


 22期開始、って、もう22年目ってことなんだよな……。TRPGの雑誌としては新しい方という感覚だったけど、RPGマガジンが約10年だったからもう2倍以上。通巻としても悠に超えてしまった(RPGマガジンは112号が最後)。ゲーマーズフィールドを上回る雑誌は、もうRole&Rollしか残っていない。TRPG雑誌なんて一桁号数で消えていくものも珍しくないのに……よく続いたものだ。

エトランゼ・ウォーズ

 鈴吹社長のコラムに、あっさり「コモンをプレイするには、よりメタ視点が必要」とか書かれてて吹いた。普通に読むと、他のスタイルよりコモンでプレイするほうが難易度が高い、って話になって私の結論とは間逆になるんだけど、これは「ルーラーから導線を引くかどうか」で変わってくると思う。コモンが完全に自発的にシナリオに関わろうとすると、確かにプロフェッショナルである他のスタイルよりハードルは高くなる。
 今回リプレイを読んでて改めて感じたが、コモンは「ペルソナ」に設定しないと意味が薄いスタイルだと思う。「プロフェッショナルのように見えるが、実は一般人です」というのを面白くプレイするのはなかなか難易度が高い。

 そしてもう一つ、エトランゼもコモンと立ち位置が似ている気がした。エトランゼもメタ視点が必要、かつシナリオに積極的に関わるにあたってルーラーからの導線のあるなしで難易度がかなり変わってくる。加えて、付属シナリオで断られているように、異なる背景を持つエトランゼのキャストが複数登場すると、セッションが方向性を見失ってぶっ壊れる可能性が高い(笑)。超能力者はいいけれど、宇宙人、未来人、異世界人は誰か一人しかハルヒのところに来てはいけないという訳だ。

 あと、何気に「NOVAの学校が6-3-3制なのは災厄前の日本に合わせられている」とか、さらっと色々な設定が明かされた。
 スーパーシナリオサポートも買ったが、その話はまた今度。


追伸:今回の掲載ゲストはちょっとヤバい。時勢的な意味で。

ハイデルランドの夜は……

 今回のブレカナの記事は、真教のシニストラリック(旧派)とウェルティスタント(新派)の話だったが、これもなかなか興味深かった。まず、ブレカナの真教では、ルターに相当する人物が今のところ明かされていない(はず)。*1よって、何がきっかけでウェルティスタントが分派したのかがまだよくわかっていない。
 あと、シニストラリックの聖職者が「司祭」で、ウェルティスタントの聖職者が「祭司」と呼ばれる、ってこれ既出情報? あんまり意識してなかったが、キリスト教カトリックが「神父」、プロテスタントが「牧師」っていうのは、確かにブレカナには適用できない。ブレカナの聖職者は女性だし、聖母マーテルが羊に例えられることもほとんどないからだ。
 そして、最初のところで凄くサラッと流されているけれど、ブレカナと他のファンタジーRPGの最大の違いの一つは「多神教の神は魔神であり、それを信仰することは異端であり、邪教」であることだ。それも、いわゆる原蛇派や聖母派のような、真教のモデルとなったキリスト教における悪魔のような立ち位置にある神々だけでなく、北欧神話がモデルと思しき中立派の神々まで、分類上は「魔神」となる。信仰すれば漏れなく魔印を捺されて殺戮者行きである。つまり「PCたちは原則として真教、そして聖母マーテル以外には帰依できない」のだ。「信仰する神様を選んで、それによって使える魔法が変わる」みたいなゲームとは、宗教の取り扱いが全く異なる。これはかなり大きな違いだと思う。
 

*1:でもたぶんオーレリア一世が原因なんだろうな。