残念ながらNO

Nintendo Switchはストリーミングサービスを使うには理想的なハードウェア


 ここで挙げられている機能は、ウェブブラウズ機能を除けば全てWiiUにも当てはまる。そして、私自身の感触としては、スイッチはWiiUよりゲームに向いているが、ストリーミングサービスを使うにはWiiUの方が向いている、という結論になった。

 まず、スイッチをゲームプラットフォームとして見ると、任天堂がテレビモードと呼ぶ外部出力用のモードと、携帯モードをシームレスに移行できるのは凄いと思う。PSPなども画像を外部出力できたが、出力先を変更するにはゲームを一時中断する必要があった。スイッチは中断されない。ただし、ことDQXに関してのみいうと、回線を有線で繋ぐか、無線で繋ぐかによって状況が少し変わる。オンラインゲームなので安定性を求めて有線で繋ごうとする人は少なくないと思うが、コネクタはドックにしかない。つまり、携帯モードに移る時点で接続回線が無線に変更される。
 また、携帯モードに関していうと、スイッチの大きさはWiiUゲームパッドの大きさとほぼ同じであり、携帯ゲーム機として考えると少々大きめだ。この大きさ、任天堂は何かこだわる理由があるのだろうか?

 
 次に、ストリーミングサービスの利用について。これに関してはWiiUの機能から説明しよう。動画再生については、WiiUは過小評価されていると私は思っている。WiiUは(特にテレビで)動画を見るのに非常に向いているハードなのだ。
 理由は一言で言える。WiiUは、タブレットを操作する感覚で、テレビを操作できるのだ。タッチパネル機能を持たないテレビに、タッチパネルを増設し、画面もミラーリングしているイメージだ。例えば、テレビ出力している動画の頭出しを、ゲームパッド画面上のシークバーをクリックすることで行える。もちろん、頭出しだけではなく、他動画の検索や画面遷移など、再生ソフト側で許される全ての操作がタッチパネル上でできる。
 では、スイッチはどうか。携帯モードでの操作については、WiiUタブレットと大きく変わらない。しかし、それをテレビモードにすべくドックに繋いだ瞬間、画面は切れ、スイッチ上での操作はできなくなる。そのため、テレビモードでのアプリの操作は、通常のコントローラで行わざるを得ない。実際ニコニコの操作だと、ボタンを一回押すごとに10秒早送りなど、タブレットに比べて感覚的に操作できず、不便な操作になってしまう。


 WiiUゲームパッドは、ゲームコントローラとして十分に機能を生かしていたタイトルは少なかったように感じる。テレビ画面とゲームパッドに同じ画面を表示するだけなら、タッチパネル機能を生かしているとは言えないだろう。しかし逆に、ストリーミングサービスについては、同じ画面を表示しているからこそコントローラとして意味があった。それがスイッチだと、一つ便利な機能が失われた印象を受けてしまうのだ。