どっちが年上


 奏と楓、並んでるとどっちが年上か分からなくなるんだよな……実際には楓の方が8歳も年上なのに。

初挑戦(VRZONEのネタバレあり)

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 VRZONEを初体験した。前、土曜日に通りかかったらかなり混んでそうだったので、平日に代休が取れた時にでも行ってみようと思っていたのだ。
 体験したアクティビティは4種類。まずはそれぞれに感想を述べていく。


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 最初をどれにするかかなり迷った挙句、これに。理由は「景色が綺麗だったから」だ。
 冒頭の説明でいきなり「高所恐怖症の方はご遠慮ください」と言われて「マジか……」と絶句したが、私程度の高所恐怖症なら問題なかった。そもそもこのアクティビティ、足元を見る機会はあまりない。ほとんどは進行方向を見るはずだ。
 風光明媚な自然の中を、羽根のついた自転車のようなグライダーで飛んでいく、というアイデアはなるほどと思う。ただ、最初戸惑ったのは操作方法だ。ペダルを漕ぐと上昇で、漕ぐのを止めると下降、ハンドルを前に倒すと前進(滑空)で、後ろに倒すと減速である。これを聞いて違和感を覚えないだろうか。自転車の形をしているのに、ペダルを漕いでも前に進まない(上昇する)のである。途中「頭上からなんか崩れてくるー」なんて時に、逃げようと思わずペダルを漕いでしまうが、実際はそれをやると激突が早くなってしまう。しばらくやっているうちに操作には慣れてくるが、その時にはもう終わっているという……。
 初心者向けと上級者向けのコースがあったようだが、どこが分岐点なのか、どこがコースなのかさっぱりわからないまま進んでしまった。どうやらたまたま正解だったようで、ゴールには無事辿りつけた。むしろ時間が余ったくらい。こんなことなら途中もうちょっと風景を楽しめば良かったと思ったくらいだ。


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 次にチャレンジしたのがマリオカート。正直、普通の人に一番オススメなのがこれじゃないだろうか。操作方法も普通にハンドルとアクセル、ブレーキで、登場キャラもお馴染みだ。それがただ「VRになっているだけ」なので、ルールもあっという間に飲み込めるし、VR体験を最速で楽しめる。
 実はハネチャリもこれも、次に紹介するアクティビティもすべて「4人用」。ハネチャリはただの競争だが、マリオカートだと妨害しあいながらの競争になる──が、初体験だとそれよりコースのダイナミックさに気を取られるので、仮に仲間同士で行かなくても、他のメンバーは特に気にならないだろう。
 頭上から落ちてくるパックンフラワーも迫力があるが、一番インパクトがあってしかも邪魔だったのが「クラッシュしたクッパ」。プレイ前に使用キャラを選ぶが、その時クッパを選べないのはわざとじゃないかと思うくらい。しかも頻繁に横転してプレイヤーめがけて突っ込んでくる。
 アイテムを取って使用できるのが売りの一つだが「取った感触」が伝わるアクティビティではないので、取ったつもりが取れてないというのがしばしばあったのがちょっと残念だった。


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 そして、多分今一番力が入っているのがこれだろう。料金も予約も別となっている。平日でないと「行ってから予約を取る」のは難しそうだ。平日の空いている時間なら、行って最初に予約を取り、待ち時間に他のアクティビティを眺めていれば遊べると思う。とはいえ、他のアクティビティも待ち時間があるので、待っている間に他のを遊ぶのはあまりお勧めしない。ドラクエの側は、予約時間に集まれないと支払いが無効になるシステムだ。
 他のアクティビティが「遊園地のアトラクションのようなものに乗り、VRゴーグルをかける。乗り物自体は現実世界では一切動かない」システムなのに対し、このドラクエのアクティビティは閉鎖空間で移動を含め全身を動かす。バックパック型のPCを背負い、自分の体の動きがアクティビティ中のキャラクターにトレースされる。VRといって最初に想像するのは恐らくこういうものだろう、というアクティビティである。安全面の配慮もあるためか説明も長く、荷物は一切持って入れない。
 戦士2人、僧侶、魔法使い1人ずつと編成は決まっており、変えることはできない。数値的なステータスはなく、攻撃を一回食らうと瀕死、二回食らうと死亡する。回復できるのはそれぞれ僧侶のホイミザオリクだけというシンプルなルールだ。
 私は戦士で、盾を構えることで敵の攻撃から身を防げる。僧侶と魔法使いはそれができない(戦士の後ろに隠れることはできる)。敵の攻撃の予備動作のようなものがあったら盾を構え、攻撃が終わったら自分の剣を繰り出せばいい。それは分かるのだが、この「剣を繰り出す」のがどういう判定になっているのかいまいちわからなかった。
 というのも、このVRセット、盾も剣も結構重いので、派手に動くと疲れてくる(実は移動シーンはそれほどないので足は疲れない)。剣を振りかぶって振り下ろすなんて何十回もやればなおさらだ。一体どこからどこまでが「1回の攻撃」扱いなのか。で、隣の戦士の人と「これ手首だけ動かしていればいいのでは」という結論になった。
 あと、敵の攻撃が割と激しかったり、さまようよろいは盾を構えてこちらの攻撃を防いできたりするので、デッドリーはデッドリーだと思うが、僧侶が死んだらどうなるのかについては特に説明はなかった。私は運よくゾーマを倒せたものの、係の人に言わせると、倒せないグループも結構ある、らしい。
 なお、選べる仲間に勇者がないのは、途中のイベントで登場するからである。
 

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 ドラクエで結構疲れたので、そこで終わってもよかったけれど、なかなか来る機会もないだろうと思い、最後にエヴァに挑戦してみた。今回やった4つのアクティビティのなかでは、これが一番「ゲーム」だった。ところが、このアクティビティ、ドラクエよりずっと「ゲーム」なのに、恐らくわからない人にもわかるようにするためと、ネタバレを避けるため、事前の説明が思いっきり省略されている。
 例えば、一緒にやった人は「ずっと警告が出たまま消えない」と言っていた。使徒にやられたのかとも思ったが、ダメージを受けたらモニターの色が変わると事前に説明されていた。その人自身も「敵にはやられてないはず」と言っており、どうなっているのかさっぱりわからなかったが、自分が同じ状況になって初めてわかった。手持ちの武器が弾切れすると、弾薬切れの警告が表示されるのだ。表示は日本語だが、画面内の情報が多すぎて注視している余裕がない。
 そう、VRアクティビティは「横で遊んでいる人の画面を見る」ことは絶対にできない。それでもドラクエは「横を向けば隣で戦っている仲間が見える」が、エヴァは「機体の方向は使徒の方向に固定」されている上に、僚機が近くにいないため、画面内で相手の状況を確認することもできない。ただし、エヴァドラクエと違って役割分担がなく、仲間を助けることも、仲間に助けてもらうこともない(できない)ので、喋って情報を共有する必要もないのだが。
 また、事前の説明では「運がいいとN2ミサイルを入手することができるので、手に入れたら是非使ってください」と言われるため、敵を撃ちながら一生懸命探し回ってしまったが、なんのことはない。恐らく一定時間たつと自動的にミサトさんの音声が流れ、ミサイルが配備される仕組みである。
 使徒には敗北してしまったが、残りゲージ量からいって、恐らくN2ミサイルを使わないとかなりの確率で負けるシステムなのだろう。


 総評。VRZONE自体はなかなか面白かった。貴重な体験もできた。だが、その体験自体がVR自体の限界を示しているように感じた。
 VRZONEの各アクティビティには係員が常時張り付いており、体験前には注意事項が説明され、体験中も係員がつきっきりで、何か起きたらすぐ対応できるような体勢を取っている。特にリタイアの説明については、全てのアクティビティで必ずされる。これ自体は非常にすばらしいことであり、またこうあるべきと思う。
 ただ、この状況を見てしまうと、自宅でVRをやろうとはまったく思えなくなってしまうのだ。VRZONEではまた遊んでみたいとは思ったけれど、自宅で一人で同じことをやったら、サポートしてくれる人は誰もいない。
 ことにドラクエVRは、事前の準備も設備も大掛かりである。とても個人でどうこうできるものではない。そして、それ以外のアクティビティは「何かに乗る」ものが大部分だ。ボトムズガンダム、川下り……どれも「乗り物」である。対応できるゲームの種類は限られるだろう。
 また、この施設は混雑時、入館時間を予約するが、退館時間の定めがない。何時間滞在してもいいルールである。最初不思議なルールだと思ったが、自分で数時間滞在してみて理由が分かった。やっていると疲れるから、元々それほど長時間滞在できないのだ。次世代のMMORPGVRで……なんてアイデアを見かけることがあるが、そんなゲームが出たらきっと1日15分しかログインできないだろう。


 とはいえ、VRの未来が暗い、とは思わなかった。むしろ、VR技術を使えば新宿のど真ん中にこれだけのアミューズメントパークが作れるのだから凄いことだ。全てのVR施設がこれだけの規模を備えている必要はないが、大型のゲーセンとこの施設の中庸のような遊び場が他にもできれば……。それが、一日遊んだ私の正直な感想である。

 最後に一つ、指摘しているサイトが見つからなかったので付け加える。
 VRZONEにカップルで出かける人は気をつけましょう。例え、インカムから同行者の声しか聞こえてこなかったとしても……貴方たちの会話は、一緒に遊んでいるメンバーには全て筒抜けです(笑)。