テレビまで買うとはさすが


 デスクリムゾンのために、わざわざブラウン管テレビまで買うとはさすが(バーチャガンが液晶では動作しないというのは初めて知ったが……)。
 デスクリムゾンのエピソードは色々聞いたことがあったけど、ムササビを殺すとライフが減る理由はバグか何かだとばかり思っていた。ムササビからワクチンが取れるという設定だったのか……。

ついに明かされる「あの事件」


 33分探偵橘ありすシリーズ待望の新作。
 本編シリーズ第7話にて、その存在のみが明かされた、謎に満ちた事件「黒龍館殺人事件」。同話にて、文香がありすの「鷺沢流探偵術」の師であると語られたこと、その禍々しい事件名の響きから、ファンにとしては、いったいどんな事件だったのかずっと気になっていた。
 その真相は……。











(以下「黒龍館殺人事件」の真相及びシリーズ第6話に関するネタバレが含まれます。未視聴の方はお戻りください)









 8話にて非業の最期を遂げたあやめの再登場、開幕からおどろおどろしい雰囲気、そしてこれまでの外伝エピソードの雰囲気から、悲劇的な展開が待っているのでは……と思いつつ、シークバーの残りと、そして第7話では「黒龍館五人連続殺人事件」となっていたのが「五人連続」の文字が消えていたのが気になっていた。

 そして……そう来たか、という(笑)。
 そりゃそうだよな! 鷺沢流探偵術の師匠なんだから!

 意味深な双子も、ミステリアスな館の主人も、忠実な従者も、いわば全てが「33分探偵」というオチ(?)へと持ってくる伏線とは恐れ入る。「悲しくしんみりした話もいいけれど『33分探偵』の原点はこれなんだ」という作者からのメッセージのようにも思えた。

 とか言いながら、実は私がこのシリーズで一番好きなのは第6話とその真相編だったりする。二次創作としてのミステリはもちろん、一次創作としての普通の探偵物まで含めた作品群の中でも、好きな方から五本の指に入る。

 普通探偵物というと、冒頭で人が死に、その死に関する真相を探偵が解き明かすものだ。例えば氷菓のように人が死なない探偵物も稀にあるけれど、基本的には「手遅れ」だ。真相を解き明かしたところで、死人が生き返ることはない。
 ところが、このシリーズの第6話は「探偵が真相を解き明かすことで、死んでいたはずの人間が実は死んでいなかったことが分かる」という逆転の物語である。これは素晴らしかった。

 次回作も楽しみだ。