海ステージは苦手だった


 今や当たり前のようになったマリオのアイテムストック制は、3のこういう場面を経て実装されたシステムなんだろうな。
 1とかランドばっかりずっとやってた身だと、パワーアップは一通りしかなかったから、あんまり必要性を感じてなかったんだけど。

キーボードを小さくするくらいなら…

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 キーボードを小さくするくらいなら、動かさないで済むマウス(トラックボールマウス)がいいと思うんだ(宣伝)。

ファンタジーTRPGの食事事情(3)

Role&Roll Vol.199

Role&Roll Vol.199

  • 発売日: 2021/04/21
  • メディア: 大型本


 ファンタジーTRPGで食事シーンを演出、描写する上での大きな課題は「GMとプレイヤーの間で共有認識を持つ」ことである。今回のエントリを書くにあたり、ルールブック7冊(新旧D&D、新旧SW、ブレカナアリアンロッドアルシャード)、ワールドガイド5冊(新旧エベロン、グレイホーク、アリアンロッド2冊)、手元にあるリプレイとコミックを数十冊、小説を数冊、ざっと見直したが、世界設定として、食文化が中世ヨーロッパと同じであると断言できる──例えば、今回の連載に当てはめるなら、食事を素手で食べている──と確認できるタイトルは一つもなかった(骨付き肉のような、現代でも素手で食べているものは除く)。
 逆に、旧ソードワールドのリプレイ「決めろ! 世紀の大逆転」の口絵では、マウナがフォークを使ってケーキを食べている。同作者の「突撃! へっぽこ冒険隊」でも、イリーナがフォークをへし折っている。新ソードワールドだと「蛮族英雄」、「たのだん」、「新米女神の勇者たち」の口絵で、同様にナイフとフォークを使って食事をしているシーンが描かれている。ゲームデザイナー本人が「スーパーマーケット」が存在するという世界なのだから、当然だろうが。
 D&Dに関しては、5版のルールブックに記載された、冒険者用装備の一覧の中に「フォーク」が明記されているので、食事の際はフォークを使っているはずだ。

 ……といっても、フォークの有無を調べるためだけに、上記の書籍を読み直したわけではない。TRPGの各タイトルで、作中で食習慣に触れている作品がどれだけあるか確認したかったのだ。

 結果としては驚くほど少なかった。私が「リプレイの口絵」や「コミック」を中心に調べた理由は、食事の描写がそもそも文章として書かれることが少ないため、イラストの形で確認したかったからだが、そのイラストですらなかなか見つからない。特に意外だったのは、ロードス島戦記のコミックシリーズを英雄騎士伝、ファリスの聖女、ディードリット物語、炎の魔神と4シリーズ(最新のは未チェック)見直したのに、食事をするシーンが一コマも見当たらなかったことだ。特に英雄騎士伝は冒頭が酒場シーンだったと思っていたが、ベースが小説版であるためパーティ結成シーンすら酒場ではなくなっている。
 記憶違いは他の作品も同様で、ドラゴンランスも冒頭の酒場シーンで食事をしていたと思っていたのに、実際に読み返してみたら食事に手を付ける前に追い出されていて食べるシーンはなく、2巻エンディングの婚礼シーンまで食事をするシーンはない(なお、ここでも肉にフォークを刺すという描写があり、素手で食事をしていない)。

 本来、史実のヨーロッパの状況がどうであれ、あなたがGMを務めるセッションでは、あなたの好きなように食事シーンを描写してよいはずだ。何故なら、ルールブックに記載がないからだ。極端な話、カレーパンを食そうが、おでんを食そうが、ルール違反ではない。とはいえ、もしファンタジーTRPGのセッションでカップラーメンが登場したら「ちょっと待った」というプレイヤーがいてもおかしくない。
 しかし、ルールブックを中心とした各種メディアミックス作品で食事が描かれないということは、その作品世界の食習慣──一般的な「食事」がどんなものなのか、どうやって「食事」を摂るのが普通なのか、プレイヤーとの間に共通認識を作りにくいということになる。フォークの例からもわかるように、史実の中世ヨーロッパと必ずしも同じとは限らない。
 分かりやすい例でいうと、エベロンの旧ワールドガイドには「食事が供されるたびにピュリファイフード・ドリンクの呪文が掛けられる」とある。つまり、エベロン世界では「食材が腐ってダメになる」という状況が起こりづらく、遥か遠方に食材を運ぶことができることになる。山間部で生魚が食卓に並んでも全くおかしくない世界だ。だが、同じD&Dでもグレイホークならどうだろう。
 食文化についてほとんど言及のないソードワールドも同じだ。マギテックや鉄道が存在するラクシアと、それらがないフォーセリアでは事情が違うだろう。つまり「ファンタジー世界」という一言では括れない、ということだ。自分が遊んでいるタイトルで、一体どこまでが許されて、どこからが許されないのか。GMとプレイヤーの間で認識の共通化を図る必要がある。
 もちろん、ほとんどのプレイヤーはGMが描写した食事のシーンを理解し、わざわざ異論を挟んだりしないだろう。仮に異論があっても「なるほど、君の考えは分かったけど私のセッションでは今回はこうするよ」と返したところに再反論するプレイヤーはもっと少ないだろう。
 しかし問題は、食事シーンを描写することは、果たしてここまで書いてきたような手間をかけてまでやるメリットがあるのかどうか、という点だ。セッションで「雰囲気をグッと増す」方法は他にもいくらでもある。とりわけ食事シーンを演出することに大きなメリットがあるなら、古今東西のファンタジー作品においてもっと頻繁に取り上げられていておかしくないはずだ。


 長くなってしまいましたが、まだ続きます。