楽しかった


 そのうち改めて書くかもしれないけれど、私がVtuberを見始めるきっかけになったのが「アイドル部の侵略」の「Cooking Simulator」で彼女が解説をしている回だった。



 「立ってるだけで笑いを振りまく」という言葉に相応しいVtuberだったと思う。
 3年間お疲れ様でした。卒業おめでとう。

軽巡いいね


 あららさんの軽巡話がまた見れて嬉しい。神通と天龍のやり取りがよかった。あと、呼び鈴が鳴ってるのに誰も出ない球磨型はいかにもそれっぽくて笑ってしまった。

ファンタジーTRPGの食事事情(2)

Role&Roll Vol.199

Role&Roll Vol.199

  • 発売日: 2021/04/21
  • メディア: 大型本


 昨日の続きである。

 前回は変に引っ張ってしまったので、今回は結論から書こう。
 私がファンタジーTRPGで食事シーンを演出、描写する場合のコツと思っているのは、以下の2つである。


1.何のために演出するシーンかを明確にする

 この雑誌のこの連載を取り上げるたびに言っている気がするが、TRPGのセッションはGMが自分の知識を披歴する場ではない。食事シーンを描写するにはある程度の下調べや準備が必要になるが(詳細は次回)、そこで調べたことを表に出したいがためにシーンを挿入するのは本末転倒である。食事をする「だけ」を目的としたシーンは、締め時がわからず、時間がかかるだけの散漫なシーンになりがちだ。
 昨日書いたように、多くのTRPGで食事に関するルールが設定されていないのは、仮に演出するとしてもそれは副次的なもの、おまけに過ぎないからだ。メインに据えるべきではない。そこが「ダンジョン内での食事」を作品のメインテーマとする「ダンジョン飯」との大きな違いだ。両者は似て非なるものなのだ。

 では「何のために」食事シーンを描写し、演出するか。それはシナリオによっても異なる。
 例えば、城下で住民が食うや食わずの貧しい生活をしているのに、領主がPCを招いた祝宴で豪華な食事が振る舞われれば、領主の人となりを伝える役に立つ。逆に、安価な食材を精一杯盛り付けて歓待しようという意図が見えるなら、PCに切羽詰まった依頼が来るかもしれない、という推測ができる。
 あるいは、他の街と交流がなく、交易もしていないと喧伝しているのに、近隣で取れない食材が食卓に上るようであれば、闇取引が横行していて、しかも領主も一枚嚙んでいるのでは、などと色々考えられるだろう。

 また、これらに当てはまらないパターンもあるが、それは次回以降に説明する。


2.あらかじめ描写を用意しておく

 実はこれが、私のようなアドリブを多めにするマスターにはキツい点である。
 「食事」というのは、アドリブでシーンを演出するのが難しいと私は思っている。この辺りは主観も絡む話になるが、食べ物の描写でプレイヤーの想像力を喚起するには、視覚や聴覚だけでなく、嗅覚や味覚、触覚に訴える必要が出てくる。ずらずらと料理の名前、食材の名前を並べても、外見だけを描写しても、臨場感のある描写にならない。実際の食事の時には嗅覚や味覚が大きな役割を果たすからだ。香辛料の効いた、湯気の立つスープの香り。骨付き肉から滴り落ちた肉汁が鉄板に落ちて音を立てた時の、辺り一面に広がる脂の匂い……。
 ところで、GMが自分の引き出しから描写を引き出そうとするとき、参考にするのは実体験だけではない。ゲームだったり、映画だったり、様々なフィクション作品も参考にするだろう。「強固に守られた城塞都市」と言われれば、映画「ロード・オブ・ザ・リングス」のミナス・ティリスを思い出しつつ、つらつらと描写を並べることはできなくはない。しかし、フィクションには嗅覚や味覚が付随していない。嗅覚と味覚、触覚は、GMが自分の「実体験」から引き出すしかなく、極端にバリエーションが減る。
 ここで描写に幅を持たせようとするなら、これはもう事前に描写を用意するしかない。「自分はアドリブマスターではない」というGMでも、毎回「読み上げる描写」をシナリオ全てに用意することは珍しいと思うが、食事シーンだけは用意すべきだ。小説のように……いや、ゲームブックのパラグラフのように、か? 逆に、もしあなたが五感全てに及ぶ、想像力を喚起できる描写をアドリブでスラスラ言えるというのなら、小説家か役者になる才能がある。


 昨日書いたように、これらは私の考えるマスタリングテクニックのコツであり、必須ではない。しかしこれくらいはやらないと、食事シーンを描写する意味は薄い。
 しかも、これ以外にも考慮しなければならないことがあるのだ。むしろ、普通のプレイヤーやGMには、そちらの方が気になるかもしれない。というわけで、次回へ続く。