良く続いてる


 数回前までは「もうネタがわからない」っていう視点で見てたけど、今となってはネタが云々よりむしろ、主催者たちが13年も企画を続けていることそのものの方に敬意を抱く。
 ゲームコーナーは何とかわかるしな!

ファンタジーTRPGの食事事情(4)

Role&Roll Vol.199

Role&Roll Vol.199

  • 発売日: 2021/04/21
  • メディア: 大型本


 TRPGのシナリオは、その舞台となる場所によって大きく3種類に分けられる。迷宮を舞台とするダンジョンアドベンチャー、野外を舞台とするワイルダネスアドベンチャー、都市を舞台とするシティアドベンチャーである。さて、この中で食事場面を演出するのに適しているのはどれだろうか。
 恐らく、挙げた順がそのまま適している順になる。つまり、ダンジョンアドベンチャーが最も向いていない。

ダンジョンでの食事

 (1)で書いたとおり、ほとんどのファンタジーTRPGではダンジョン内で食材を入手することができない。メニューは干し肉やドライフルーツや堅パン、ナッツや乾燥させた野菜。バリエーションなどは存在しない。
 たまたま見つけたこの動画の食事は、それに近いのではないだろうか。



 食材が補充できず、保存の利く物しか食べれないとなると、メニューは限られる(食事をするために毎回ダンジョンの外に出てくるなら話は別だが)。
 「昨日カレーパンがどうとか、エベロンの食事がどうとか書いていた話はどうなった」と言われそうだが、それはあくまでもリソースをパーティ外に確保できるダンジョンの外の話。TRPGの世界観としての食習慣の話である。ことダンジョン内に限れば、仮に食料を魔法で保存したり、輸送する手段があったとしても、そのリソースはパーティ内で確保する必要がある。ピュリファイorクリエイトフードアンドウォーター・ドリンクは、自分たちで確保しなければならない。これは作品世界の世界観や文明レベルの話とは異なる。現代でも持ち込めるものが限られる登山などにおいては、ドライフーズなどを携行するケースが多いが、それと同じだ。PCの目的はあくまでも冒険であり、食事ではないのだ。
 メニューが限られると、その描写もバリエーションがなくなってしまう。毎回干し肉をかじるシーンばかり演出するのも寂しいだろう。

野外での食事

 ワイルダネスアドベンチャーでの食事は、食材を手に入れる可能性があるという意味で、ダンジョンよりは彩りのある描写が可能になる。……と言いたいところだが、実はこれもタイトルごとに事情が異なる。ダンジョンズアンドドラゴンズは、クラシック時代から最新の5thに至るまで、(技能ルールを採用すれば)野外で食材を入手することができる。旧版は技能の説明、5thの場合はダンジョンマスターズガイドに記載がある。
 ところがソードワールドの場合、新旧どちらも、野外活動の専門家であるはずのレンジャーですら、野外で食料を入手する能力がない。従って、食事については冒険出立前に購入するアイテムとしての「食料」、ダンジョン内で喫食するそれと全く同じであり、バリエーションも増えない。

都市での食事

 ──というわけで、結局一番演出しやすいのは都市での食事、ということになるだろう。
 一応補足しておこう。ダンジョンアドベンチャーであっても、オープニングを街からスタートして食事するシーンを描写し、ダンジョンに潜って戻ってくる、という展開もあるだろう。従って、先の分類で述べたシティアドベンチャーと都市での食事シーンは必ずしも完全に一致するわけではない。……が、結局都市での描写が一番多くなるのは都市を舞台にした冒険、つまりシティアドベンチャーにはなるわけだが……。