話は分かるけど

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 これは、まとめてる人がauに物凄く同情的なのは話としては分かるし、ショップに言ってもしょうがないというのもわかるが、じゃあ「障害は必ず発生するものだから、auは無謬」かというと全くそうは思わない。
 コメントの中にある「嫌だったらキャリアを変えればいい」は至極もっともな意見で、本来はそうあるべきだと思う。しかし、どこの会社でも障害は発生するものであって、そういった場合にミッションクリティカルな状況で携帯回線に頼っている人が、それなりの代償を払えば緊急時対応ができて然るべきなのだが、キャリアがそれを意図的に潰している(としか思えない)。その観点から語っている人がほとんどいないのは凄く気になるし、その点においては100%キャリアが責めを負うべきだと私は思っている。

 何の話かと言えば、もちろんDSSS、もしくはDSDSの話なんだけども。

 障害を起こす可能性をゼロパーセントにできないのならば、障害発生時は他キャリアに切り替える──それも、スマホを2台持ちにするのではなくて、1台のスマホでキャリアを切り替えられるべきだ。そんな機能を持つスマホは地上にないというなら諦めるが、ちゃんと存在する。存在するのに、対応している機種のほとんどはSIMフリー、あるいは海外スマホだけ。
 不可解なのは、simフリーや海外版ではDSDSの機能があるのに、キャリア版ではわざわざその機能を殺して販売されているケースだ。耐障害性という点で100%の保証が事実上できないにも関わらず、障害発生時にキャリアを切り替えることができないように意図的に設定されたハードウェアを販売する、それも本来はその機能を有する機種の当該機能をわざわざ削除して販売するのは、不誠実というべきだと私は思う。*1*2これは、今回の障害における技術的な問題とは全く別次元の話だ。

 ちなみに、架空の話と思われると困るので最後に機種名を実例として挙げておく。この機種だけの問題ではないのであくまでも一例だが、Galaxy Z flipである。かつてこの機種は国内ではau独占だった。海外版ではデュアルsimに対応していたにも関わらず、国内版はそのスロットを潰されていたため、他のキャリアとの併用ができない。しかもsimフリー版は国内販売されなかった(海外版を使用するのは技適違反となる)。


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*1:当然、障害発生時のみならず、受電強度の観点から平時の利用でキャリアを切り替えるのが便利な状況はいくらでも考えられる。

*2:理由は恐らく、それぞれのキャリアの安いサービスの部分を美味しいところ取りされないためではないかと思うが、それも消費者にとっては不利益な話だ。