僧侶のふりをした魔法使い


 特級職4人のパーティーを2種類作れというのは、理想としてはそうなんだろうけど……それには一人につき上級職を2種類、基本職を4種類上げる必要があり、かなり時間がかかる。動画でも言及されてるけど、特に上級職のレベル60から70は必要経験値がなかなか多くて厳しく、私自身今まさにそこで苦しんでいるところだ。
 
 そもそも前提から書いていくと、ドラクエウォークの職業は、基本職が戦士・僧侶・魔法使い・盗賊、など。これに対して上級職はバトルマスター・レンジャー・パラディン・賢者など。バトルマスターとレンジャーはそれぞれ戦士と盗賊の上級職だが、パラディンと賢者は戦士と僧侶のハイブリッドジョブ、僧侶と魔法使いのハイブリッドジョブという位置づけにあった。
 それがさらに上にシフトすると、ハイブリッドジョブになったものが、また専業に戻るイメージだ。ただし、ドラクエウォークのパーティー編成というのは「モンスターの心」のお陰で非常に柔軟性が高い。例えば、大魔導士に回復用のモンスターの心を装備させれば、魔法使いの位置づけの大魔導士であっても、回復役をある程度こなすことができる。
 ただし、もちろん大神官が持っているアビリティは全く使うことができない。それともう一つ、大魔道士の心の装備スロットは紫色と黄色で構成されている。これは魔法使いと戦士を意味しており、これに対応したモンスターの心を使わないと、スロットごとのボーナスが入らない。つまり、それ専門とする大神官に比べると、専用のアビリティがない上にモンスターの心のボーナスもつかないという状態になるわけだ。
 逆に言えば、その点だけを許容すれば、大魔導師でそれなりに回復役を務めることもできるゲームである。これは回復役だけの話ではない。TRPG的な言い方をするなら、「モンスターの心」システムの存在によって、クラスシステム制でありながら、疑似的なマルチクラス、マルチスキルを実装しているイメージだ。専業には及ぶことはないが、しかし代用は可能。この自由度の高さとバランス感覚がこのゲームの面白さである。