みんな読んでないんだろうな……

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 これ、色々な人がレスをつけているけれど、元ツイートの「粋なゲーマー養成講座」を読んだ、あるいはその内容に触れてる人がいないのがお察しって感じ。
 多分、このツイートを見た人たちは「粋なゲーマー」という言葉から「多分ゲームをやる人なんだろうな」くらいに捉えてるんだろうけど「粋なゲーマー養成講座」は、TRPGの専門誌「ログアウト」に掲載された朱鷺田氏と田中としひさ氏の作品で、「難解さん(形容詞と間違えやすいので、以下本名の「難解好夫」)」は生粋のTRPGゲーマー。それも当時の位置づけとしては迷惑ゲーマーに近い存在だ。
 元となった作品は25年も前のコミックで、特にそのあと出版社を変えて再販されてもいない。なんで唐突にそんな話を始めたのかと思ったら、実はnoteで25年越しの続きが書かれていたようだ。


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 盆栽とか将棋とか車とかバイクとか挙げてる人がいるけど、一人でやる趣味だと論点がちょっとズレる。「何ができなくなったら引退するか」。恐らくここで言いたいのは「何ができなくなったらTRPGのコミュニティにいられなくなるか(あるいは、いるべきではないか)」という意味だろう。
 続編を読む限り、コンベンションの主催に知己がいて、25年も顔を出している、TRPG歴40年のプレイヤーなんて、他の参加者からしたらアンタッチャブルな存在だ。TRPG業界の最新の動向も気にして知識をアップデートしている辺りはさすがだし、知人の娘に頼られているのもそれなりに信頼があるからだろうが、オンラインセッションを遊ぶわけでもなく、他の趣味が増えたようにも見えない。中学2年生に全然わからないネタを振り続けるあたり、性格は変わってなさそうだ。
 ツイッター(X)の最初のレスが「生涯現役でお願いします」だけど、TRPGにおけるそれは、すなわちコミュニティ側で受け入れろ、ということを意味する。朱鷺田氏は「ご意見募集」しているが、これはそう簡単に答えの出る話とは思えない。コミュニティの性質にもよるし、交友関係にもよる。「モチベーションにもなるから続けてください」と一言で結論の出るものでもない。
 とはいえ、ことこの作品に関してのみいうなら、コミュニティからは受け入れられている(少なくとも作中ではそれっぽい)から、続けられる限り続ければいいのではないだろうか。25年も続く交流なんて他に代えがたいものがあるし、いささか羨ましくもある。退職者の集まる地元の歴史研究サークル、なんていうのと、活動内容に大きな差異はないだろう。


 ちなみに、一時期あちこちのコンベンションに行きまくっていた(3桁行かないくらい)私からすると、難解好夫のようなタイプは、最も避けるべきタイプのプレイヤーだった。
 TRPG歴が長く(当時は25~30年くらい?)、経験豊富なのに、コンベンションの「主催」ではなく「主催者の知り合い」。25年経った今でも、TRPGは「上達しなければならない」ものであり「痛くなければ覚えませぬ」とばかりに、教えを乞うてきた人にも、その同卓の人間にも、ハードランディングを強いる。遊んでいるのがTwilight2000というのもいかにもそれっぽい。2021年に新作が発売されているが完全新作ではなく、1984年に発売された作品のリメイクである。特に、当時も今も「英語版しか出ていない」というのがミソだ。こういうプレイヤーの一部は、往々にして、日本語版が発売されるとそのゲームをやめてしまう。
 「主催者の知り合い」というのが特に私の警戒レベルを上げる要素だ。主催と長い付き合いはあるが、主催としての雑務は一切しない。人手が足りないからGMに駆り出されたという体なので、主催も借りがあり、問題があっても強く言えない存在。以前「闇のコロコロ少年」で書いたのも似たようなケースだ。
 コンベンションで痛い目を見た経験など数えるほどしかないが、その過半に同じような立ち位置のプレイヤーが絡んでいたので、強く印象に残っている。