思うところはいろいろある

とある #TRPG 初心者からのおねがい & 初心者へ贈る言葉


 私もそれなりの回数コンベンションに参加して、コンベンション内外で何十人もの初心者と一緒にセッションをやったけど、この「友達」君を絶対に楽しませられるかと言われるとちょっと自信がない。初心者といってもいろいろな人がいるのだけれど、特に3番と8番については、同席した初心者からこのような要望をもらった経験が今まで一度もない。なぜそういう要望が出たのかという流れ自体がよくわからないのだ。
 普通の場合、ルールブックを持っていないのはもちろん構わないのだけど、ルールを参照できないプレイヤーにいきなりルールをどこまで曲げれるのか聞かれてもGMとして答えに窮する(「ルールは原則守ってください」としか答えようがない)し、TRPGは「無限の自由度」を約束するゲームでもないので選択が許されない場面で「選ばせろ」と言われても対応に困るのだ(例えばPC①のハンドアウトを2人に配れと言われたら普通拒否するしかない)。
 説明を丁寧にしてほしいというのは当然の要求だし、GMを含め他のプレイヤーが初心者に「配慮」するのは大前提だけれども、それと同時に他のプレイヤーもGMも同列の「参加者」なのだ。全員に楽しむ権利がある。初心者が楽しむために他の参加者に「犠牲」を強いることはできない。


 先輩が口癖のように言っていた言葉を借りると「TRPGという要素を抜きにして考えると、知り合いが一人もいない状況で、相手がどんな人間かもわからない4〜5人の初対面の人間同士が、会話だけでコミュニケーションを取りながら4〜6時間を一緒に過ごす」のは決して簡単なことではない。他人だらけの合コンにいくようなものだ。コンベンションに参加しようとしている人のハードルを上げるつもりは毛頭ないが、幻想を語っても仕方がない。率直な感想である。

私の場合

 とはいえ、私は今まで同席した初心者の人からつまらんといって席を蹴られたことも、叱責されたことも幸いにして一度もない。かなり運がいいのだと思う。経験から言わせてもらうと、初心者にゲームの説明をするのはGMにとって別に苦ではないし、トラブルの元になることも少ない。自称ベテランの我侭の方がよほど厄介だ。


 ちなみに、私が初心者と卓を囲んだ時、GMとしてよくやる手法は(小太刀右京さんが紹介しているような対応を心がけた上で)初心者をPC①に据えることである。これも私のオリジナルのアイデアではなく、やにおさんあたりの受け売りになるが。こうすると、他のPCが初心者に手を貸しやすいからだ。その上で、雰囲気に慣れてきたと思ったら意図的にPC①の単独シーンを用意することが多い。こうすると、PC①が何かの方針を決めない限りシーンが先に進まないので、自分がセッションの進行に寄与したのだという実感を持ってもらいやすい。
 ただ、私はコンベンションに行くときはほとんど主催者ではなく参加者側である。そして、参加者が立てる卓に初心者と分かっているプレイヤーを混ぜてくる運営はあまりいない。私がGMの時に出会う初心者は、私にとって初対面であっても参加者の誰かと知り合いであるカジュアルプレイの場が多く、卓内に誰も知り合いがいない上に完全な初心者とGMとして卓を囲むという経験はほとんどない、と最後に白状しておこう。