SRSと天羅WAR②

 SRS天羅万象、「天羅WAR」最大の問題は「処理が重い」ということだ。(*1)


(*1)業システムそのものは天羅WARの最大の魅力でもあるので、必ずしも欠陥とはいえないが…。


 天羅万象、あるいはその改定版である天羅万象・零は、処理が軽かった。例えば戦闘一つ取っても、考えることは「『気合』をどれだけ使うか?」くらいである。流派を習得していても、基本的には技を使うかどうか以外考えることはなかった。
 また、戦闘時に振るダイスも命中判定の一回だけで、ダメージロールすらなかった(命中判定の際の達成値の彼我差がそのままダメージになるルールだった)。
 判定の処理が軽かったからこそ、太刀の一撃に込める台詞や、カッコいいロールプレイをいろいろ考える余地があった。
 しかし天羅WARの場合、まずSRSシステムに特有の「特技の組み合わせ」、つまりコンボを考える必要がある。メジャーアクションに何を組み合わせるか、マイナーアクションに何を組み合わせるか。パッシヴスキルはどれが発動しているか。計算を繰り返していると、ロールプレイを考える余裕がなくなってくるのだ。
 実は、天羅の姉妹編であり、トーキョーNOVAと天羅のシステムを融合させたようなシステムである「テラ・ザ・ガンスリンガー」の時にも同じ問題が起きた。戦闘中に考えることが多くてロールプレイにまで気が回らなくなってしまうのだ。天羅WARの場合は戦闘修正値の計算が入るため、テラよりさらに考えることが増える。


 もちろん、今のFEARのシステムに、コンボはほぼ必須である。詳しくは別の機会に譲るが「ルールブックをGMだけでなくプレイヤーにも買ってもらうためには、一番わかりやすく爽快感があるシステム」だからだ。
 とはいえ、天羅なのに戦闘中にカッコいいロールプレイがまったくないのは、なんともさびしい。


 ただ、この問題はある程度運用でフォローができる。コンボを生かしながら、できるだけ戦闘中の計算の負担を軽くすればいいのだ。
 これにはいい方法がある。ダブルクロスで採用されている方法だが、キャラクターシートの余白部分に「そのキャラクターが戦闘時にもっとも頻繁に使う特技の組み合わせ」をメモしておき、ボーナスや必要な代償などの計算をあらかじめ全て終えておくのだ。そして実際戦闘が始まったら、原則としてこの組み合わせは一切崩さないようにすれば、戦闘中に計算することや考えることは最低限ですむため、凝ったロールプレイをする余裕も生まれるだろう。(まだ続く)