けいおん! 第10話

 今回の話の一番の見所は、ライブシーンのバックで流れる回想シーンだと思う。前にもいったけど、こういう「今は主人公たちをサポートする立場にいるリタイアした先輩の過去話」とか大好物なんだハァハァ。

 以下、私がざっと見た印象のうち、まとめサイトなどに見当たらなかったものを中心に箇条書きで。


Maddy Candy

Maddy Candy


・さわちゃんのバンド「デスデビル」は、第一期第五話での描写だと最低でも二回イメージチェンジしている。さわちゃんの過去の写真として何度も登場しているのはイメージチェンジ前のものだ。
 で、今回の話のデスデビルもイメージチェンジ前の雰囲気を踏襲しているということは、デスデビルは2回イメージチェンジ(もっとワイルドに!)したあと、また雰囲気がイメージチェンジ前に戻ったということなんだろうか。下記の理由から、元に戻ったというのが自然かもしれない。


・さわちゃんの凄いところは、きっかけは惚れた男の好みであっても、フラれたからといってやめないでちゃんと続けること。音楽も教師の道もだ。バンドの雰囲気が元に戻ったのも相手の男にふられたせいだと考えると理屈が通る。もっとも、さわちゃんの場合男に惚れる前からアコースティックギターをやっていたようだが。


・回想シーンに出てくるデスデビル、今回演奏しているメンバーが4人なのは、もちろん唯、律、澪、紬に対応してのことだと思う。クリスティーナこと河口紀美さん(cv浅川悠さん@FF11廃人@FF14廃人予定)は「軽音部の同期だった女の子」という表現をした。つまり同期じゃない子もいたのだ。デスデビルに憧れて入部してきた後輩はいっぱいいたんだろう(「今のさわ子“も”好かれてるんだ」という台詞があったということは、昔も好かれていたということだ)。唯の代で存続の危機になったということは、逆にそれまでは存続していたわけだから、毎年最低部員4人は確保できていたはずなのだ。 ちなみに回想シーンをよく見ると、同期4人を含め部員が7人いる。


・さて、そのクリスティーナ。唯たち4人に合わせた立ち位置で考えると、積極性の高さとかムードメーカー的なイメージとか、律みたいな位置にいたのかな、と推測してみる。外見は業界人っぽく見えるが(OLには見えない)ギターには久しぶりに触ったような口ぶり。ただ、さわちゃんと違って後述するジャニスのことはちゃんと承知していたようだ。


・さわちゃんがレストランのシーンで「へぇ〜、場所あそこなの?」と驚く。「あそこ」というのはもちろん結婚式の会場のことなのだけれど、これはたぶんけいおん第一期第十四話「ライブハウス!」に登場するライブハウスと同じ場所だ(控え室のデザインが同じに見える)。


・というわけで、エンディングロールには第十四話に登場したジャニスこと川上さん(フルネーム不明)も登場する。第十四話に登場した時は、ジャニスとキャサリンはお互いに敬語を使わず上下関係もないように見えたのだが、ジャニスは今回演奏メンバーにいない(新婦の隣に立っている紫のドレスが川上さんだ。ほくろに注目)。


・ジャニスは今も音楽関係の仕事を続けている(ライブハウスのマネージャー)。ところで、第十四話でさわちゃんは「あんた、なんで(ここにいるの)?」といってジャニスとの再会を喜ぶシーンがあるので、それまでジャニスの去就を知らなかったようだ。今の軽音部の人間関係を考えるとちょっと冷たいようにも思うが、実際高校時代のサークルメンバーの就職先なんて知らなくても当たり前か。再会を喜び合う関係だったというだけで十分なのかもしれない。


・ここで一つ推測を。「デスデビル」は、放課後ティータイムと違い、同期の軽音部メンバー全員が所属するバンドではなかったのではないかと私は考える。というのも、回想シーンに登場するデスデビルの4人の中には、今回の新婦らしき人物がいないのだ。
 むしろ、先ほど触れた回想シーンの中で一瞬だけ登場する、部室に7人の生徒が見えるシーンで椅子に座っている人物が川上さん、しゃがみこんでいる人物が新婦によく似ている。ただ、クリスティーヌが新婦を「同期」と呼んでいるので「同期だがデスデビルのメンバーではない部員」がいるのではないかという推測が成り立つのだ。
 この推測が正しければ、新婦と川上さんが「キャサリーン!」と声援を送る説明もつくのだが(あれはバンドメンバーというよりファンの態度だろう)。



・過去の写真を見る限り、どうも過去のさわちゃんは今の唯に似た立ち位置にいたのではないかという気がする。ボーカルであることも共通しているし、進路希望の出し方も一緒だ。
 ところでさわちゃんはいくつくらいなのだろう。今年初めて担任を持ったということは、去年新任だったのだろうか? 23〜27くらいの範囲には収まりそうだ。桜高を卒業してから最低5年、最高10年くらい経っているのだろうか。


・桜高は女子高である。途中から共学が女子高になったとは考えづらいので、さわちゃんの恋の相手は校外の人間だったことになる(回想シーンでも相手は制服らしきものを着ていない)。


 今回の話は、私の中では下級生三人が留守番をするエピソードの次に当たりエピソードだった。ストレートに感動を呼ぶストーリーもいいが、こんな全体的にコメディタッチで最後にちょっとほろっとさせる物語も悪くない。