話が脱線してしまった。一昨日のエントリ、最初の話に戻ろう。
「だったらお前が勧める初心者向けTRPGはどれなんだよ」
そう聞かれたら、私は「アリアンロッドRPG」と答えるだろう(少なくとも私の持っているTRPGの範囲では)。
そして、基本ルールブックの他に必ず上級ルールブックを購入し、あるいは借りて、プレイヤーガイドの項を熟読することを強く薦めるだろう。今までTRPGのルールブックを100タイトル以上見てきたが、プレイヤー向けのプレイングガイドとしてこれだけ充実した実用的な記事の書かれたゲームを、私は他に知らない。アリアンロッドRPGを初心者に薦める理由はこの一点に尽きる。この項は、同書に掲載されたゲームマスターガイドも合わせ、他のゲームを遊ぶプレイヤーにも、初心者熟練者を問わず絶対に読んでほしい内容だ。
- 作者: 菊池たけし,F.E.A.R.
- 出版社/メーカー: ゲーム・フィールド
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
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例えば、危険行動としてはこんなのが挙げられている(もちろん本当はもっと詳しく書かれている)。
・ふて腐れた態度を取る
・ゲーム中に寝る
・大声を出す
・ゲームに関係ない行動を取る
・体調が悪い
・他者のプレイを非難する
・曖昧な態度を取る
・相手が不愉快な話題を続ける
・自慢話をする
・自説を譲らない
・他者の身体に触れる、近づく
・助言を越えた指示を出す
・GMを独占する
・ゲームを遅滞させる
・シーンに出たがらない
・シーンに出過ぎる
・他のPCに不利な行動を取る
・ゲーム用具を借りる
他者の身体に触れるとか、ゲームを遅滞させる(気合を入れると言ってなかなかサイコロを振らない、などが挙げられている)、助言を越えた指示を出す、シーンに出過ぎる、あるいはシーンに出ない、などをはっきりと「危険行動」にうたったルールブックはこれが初めてだったと記憶している。「ゲーム用具を借りたらちゃんとお礼を言え」とまで書かれているのだ。
このガイドを読んで「こんなことは今さら言われるまでもない、わざわざ読むまでもない」と感じた熟練者。あなたが一番危険だ。文字にすること、明記することに意味がある。この記事から得るものが何一つないと豪語できる人間は、自覚せず危険行動をとっている可能性が極めて高い。
危険行動の話だけを取り上げると、なんだかすごくネガティブなプレイガイドのように思えるかもしれないが、もちろん本当は、面白いセッションにするためのテクニックニついてもちゃんと書かれている。
このプレイングガイドは基本ルールに載っていてもおかしくないのだが、上級ルールブックの記事だ。基本に載っていないのは恐らく「最初は難しいことは考えないで楽しんでみて」という意味合いだろうと思う。禁止行動ばかり列挙されたら萎縮してしまう。最初は見よう見まねでいい。二回目からはこのガイドを是非参考にしてもらいたい。