このイカれた世界へようこそ

 昨日のエントリで「しなやす」(死ななければやすいコンボ)についてちょっと話をした。しなやすと言えばアークシステムワークスの「AC北斗の拳」、そして「戦国BASARAX」である。この二つのゲームは「触れたら即死」「ノーゲージから永パ余裕でした」「なんだかわからないうちに死んでいた」という、まさに「199X年、世界は核の炎に包まれた。だが人類は死滅していなかった。世界は再び暴力が支配する世界になっていた。」というゲームである。

 ただ、一つだけアークを擁護しておくと、格闘ゲームでは初作のバランスがメチャクチャで、次作でそのバランスを調整してくるのは決して珍しいことではない。格闘ゲーブームの火付け役だったストリートファイター2でもガイルVSザンギエフは超オワタ組み合わせだったし、キングオブファイターズも94の時は小足入ったら気絶で死亡とか、餓狼伝説3でテリーのしゃがみ大Pを食らったら死亡確定とか。今のようにオンラインでパッチファイルが流せるわけでもなく、そういった大味さが当たり前の時代だったのだ。
 まして、近年の格闘ゲームのシステムは複雑化の一途を辿っている。予期せぬ挙動がとんでもないコンボや永パを生み出し、それが対戦バランスを破壊してしまう(現に北斗のバスケコンボなどは、敵の攻撃を食らった時の吹っ飛ぶベクトルの調整間違いという些細なミスを利用している)。何よりAC北斗の拳戦国BASARAXが不幸だったのは、バランスを調整しなおした次作が出せなかったことだろう。その反省を生かしたのか、ブレイブルーは初作から致命的なバランス破壊技がないように調整されている。


 余談が長くなった。今日の本題は「しなやすでも一周回って凄い対戦ツールになる」という話である。