ソーシャルゲームは“ゲームの主流"になり得るか


 プラットフォームがスマホだったらソーシャルゲームと呼ぶのだ、というんだったらそれはそれでもいいし、パッケージゲームみたいに売り切りの販売形態で追加料金を取らないなら別にそれほど反感も持たないんだけれども。数回使ったら壊れる釣竿が一本2000円以上するとかいう課金形態を何とかしろ、話はそれからだと言いたい。
 双方納得ずくで金銭を支払うなら部外者がどうこう言うことではないのかも知れないが、買ったアイテムの代金決済が携帯電話の使用料に上乗せされ、無自覚にゲーム内アイテムを買い漁った子供の親が月額上限無しの料金を請求されるという課金形態はおかしい。そりゃ「アタリショックじゃなくてライブドアショックだ」といわれるのもむべなるかな、だ。そんな人ごく一部だよといったって、実際私の周りにはそれで困っている人が存在するし、リンク元記事の最後に掲載されているプレゼンの画面は「課金アイテムを消費アイテムとする」ことで売り上げに繋げる説明の画面になっていて、その前の画面でははっきりと「ソーシャルゲーム ※アイテム課金」と表示されている。



 ウェブマネーとかPSNウォレットみたいに仮想通貨を実際に店頭で購入するとか、ゲーム内課金額に上限を設けられるような形にすれば問題はある程度解消されるかも知れないが、この記事では少なくともそれらの問題点には触れられておらず、登壇者たちも言及しているようには見えず、ただスマートフォンのユーザー数の多さだけについてしか述べていないのは非常に気になる。ゲームは作るけど金をどう集めるかは知らないよ、って? それはあまりにも都合のいい話だ。少なくとも私は、稲船氏の意見よりは稲葉氏の意見に共感する。


 で、それはそれとして、スマートフォン向けのゲームがコンシューマ向けのゲームを駆逐するという話は、MDプレイヤーやソリッドオーディオがiPhoneに駆逐されユーザーが減ってきているという話の延長線上にある。こちらの話はまだ理解できる。
 私自身はそこにはあまりこだわりがない。かつてもそうだったように、プラットフォームが何であれ面白いゲームは面白い。とはいえ、今のところ「iPhoneやスマートフォンでないとプレイできない物凄く面白いゲーム」というものには出会っていないし、噂も聞かないというだけだ。