萌えとかエロと関係ないけど

 ちょっとアダルトな話題かも。嫌な人はここで回避してください。









 
 

オーク「俺らが陵辱役だという風潮」※リンク先は18禁ではありません


 私自身が見たのでいうと、一番古いのはバスタードでオークが人間の村を襲っているシーンかな。あれを見て以来、上のリンクの作者の人と同じ疑問が消えなかった。


 つまり「人間の女性はオークにとって魅力的に見えるのか?」という話。


 ファンタジー世界のリアリティってのは、現実の中世や近世にどれだけ似ているかじゃなくて、その世界の中での理屈がいかに矛盾せず完結しているか、だと思う。もしデミヒューマンであるオークが、明らかに外見の異なる人間の異性が魅力的に見える美意識を有しているとしたら、同族と交配できなくなってハーフオークだらけになった後、オークという種族は消滅してしまう。
 リンク先でも言われているとおり、一般的なオークの外見の描写が人間にとっての美形の描写でない以上、オークにとっても人間の異性は「ガリガリで猿に似てて醜い」外見に見えるんじゃないだろうか。同じ理屈は(人間から見た)エルフについても言えるんだけど。*1
 そもそも日本のファンタジーRPGの場合、ハーフエルフはいてもハーフオークというのがほとんど登場しないし存在もしないので、人間とオークの交配は不可能なんじゃないだろうか。これが海外の──例えばD&Dだと、PCとして選択可能な種族の中にハーフオークというのが存在するので、少なくとも交配は可能であるということはわかるけれど。
 このあたり、海外のRPGは無駄によく考えられているというか、例えばグローランサだとエルフは「植物」なので、ハーフエルフもいないし他種族と交配もしない。その代わり悪食で有名なトロールはエルフを捕まえてムシャムシャ食った後「俺はベジタリアンだから」とか言い出す。

 ちなみに、私がやっぱりメリケン人の考えることは一味違うわ、と思ったのがトンネルズアンドトロールズ(T&T)の設定。


トロールワールドの歴史(2)


 オークの祈祷師がエルフのお姫様を襲うんだけど、はっきり「不快だった」と書かれている。不快だったのになんでそんなことをしたのかといえば「生まれる子供が救世主になるという啓示を見たから」なのだが、襲われた方はたまったもんではなく、発狂して死んでしまう。でも結果生まれた子供が“あの”「死の女帝」レロトラー。オークの生命力とエルフの魔力を併せ持ち、その能力で世界を1000年近くにも渡って支配し、1500年以上も生き続けていることを考えれば、父親の未来視能力もまんざらではなかったのかもしれない。
 海外のゲームで悲劇的なのはシャドウランだろうか。シャドウランデミヒューマン、オークもトロールもエルフもドワーフもなんだけど、全て「ゴブリナイズ」という病気(というか災害というか)によって変貌した「元ヒューマン」(あるいはその子孫)*2なので、美意識とかはヒューマンの頃のまま変化していない可能性がある。*3つまりエルフにとってもオークにとってもトロールにとっても「一番魅力的なのはヒューマンの異性」ということになる。相手からどう思われるかを考えると、オークやトロールにとっては悲劇だろう。
 でも、海外のゲームでも聞くのはハーフオークとハーフトロールくらいで、他にも沢山のデミヒューマンがいる種族であってもあんまり他種族との混血の話は聞かない(トログロダイトとかね)。基本的には同族の異性が魅力的に映るというのが設定的には一番無理がないと思う。

 なお「他種族を捕食する魔物」の場合はこれに当たらない。例えばラミアだのスキュラだのセイレーンだのなんていうのは、そもそも栄養摂取のために人間の異性、っていうか男性を引っ掛けないと個体の維持ができないわけで、食虫植物と一緒で「人間から見て魅力的な外見」でないと話にならない。まぁこれらの魔物については生態は謎で、男性バージョンの個体がいて子供が生まれて増えるのか、それとも単性生殖する生き物なのか、あるいは魔法的な手段によって生み出され普通の生き物のような生態サイクルを有してないのか、ゲームによっても違うだろうし、明記されていないゲームも多い。

 日本のゲームでいうと、例えばブレイドオブアルカナやアルシャードのオウガはPCとしても選択が可能であり、外見も「人間と大きく変わらない」か「美形」とされている。混血についてもルール中に明記されている。D&Dなど一般的にはオーガはオークの上位版みたいなゲームが多い(ブレカナには「オーク」も登場するため、区別するためか“オウガ”と綴られる)なか、珍しいケースだ。
 また、ブレカナの場合「ヴァルフェー」という「超絶美人女性だらけの種族」が登場する。これは前述のラミアなどと同様「人間の英雄を篭絡して魔神の元に連れていくという使命があるから」である。
 他の日本のファンタジーRPGではデータ上ハーフエルフくらいしか登場しないゲームが多いが、アリアンロッドは例外的である。ヒューリン(人間)の特殊技能に「ハーフブラッド」があり、混血という設定で他種族の特技が選択可能なのだ。この時選択可能な特技に制限はないので、エルフ、ネヴァーフ(ドワーフ)、フィルボル(ホビット)はおろか、エクスマキナ(アンドロイド)やドラゴネット(竜)との間にも理屈上は混血が可能という凄いシステムだったりする。

*1:ただ、エルフの場合は「個体数が少なくて隔絶された場所に棲んでいる」から人間も「エルフのねーちゃん(orにーちゃん)はきれーだけど探しにいくとか無理だから人間と結婚する」という理屈が成り立つけど、オークやゴブリンが希少種族であるゲームというのはあんまり聞かない。

*2:シャドウランの世界ではエルフもドワーフトロールもオークも「人間」なのでここではヒューマンと書く。

*3:どこかで異なる事実が明記されていたら私の調査不足です、ごめんなさい。