定期的な発作

 定期的にiOSのゲームを探してみたくなる病気がまた発病。というわけで「基本有料でもいいから通信機能が必須でないiOSのゲーム」を探したところ……こんなところに行きついた。


日本AppStoreの有料ゲームはほぼ死んでいて、生きるか死ぬかの瀬戸際にある

日本のAppStoreの有料ゲームはほぼ死んでいる。
現在は、ぎりぎり「まだ有料ゲームを試してみたい」とメーカーが思えている最後の時で、延命できるかどうかの瀬戸際。


 前に探した時はまだこんなにネガティブな状況ではなかった気がするのだけど、寂しさ半分安心半分というか。寂しさは当然、iPodTouchで遊べるゲームがこの先増えていかないだろうことに対する寂しさであり、安心は本文中にもあるように「5000円払うぐらいなら彼らは携帯ゲーム機のゲームを購入する」つまり、InfinityBladeなんかが出たときに「いまやスマホのゲームでこのクォリティ! 携帯ゲーム機は死んだ!」などと騒がれたけれど、結局そう簡単に携帯ゲーム機は死ななかったということに対する安心だ。
 ちなみにリンク先を読むと判るが、話題のInfinityBladeですら2に続くInfinityBladeDungeonsという続編の制作が頓挫している。前にも書いたがInfinityBladeは画面は綺麗だがフィールドを自由に歩けるRPGではない。それに対し、DungeonsはDiablo型のRPGの予定だった。要するにあのクオリティでRPGにすると、コストパフォーマンス的に割に合わないということなのだろう。恐らく3が出るのであれば2までと同じ形式になるはずだ。そういう意味では、ちゃんと正面からRPGを作ってパッケージとして売ったChaosRingsシリーズは凄かった、ということになる。AppStoreのレビューではInfinityBladeより画面が粗いだの何だのと文句を言っている人も見かけたけれど、そもそも両者は比較できない、ジャンルの違うゲームだったとしか思えない。
 恐らく、基本無料ゲームについては「デフォルトで通信機能を持っている」というスマホのアドバンテージゆえに携帯ゲーム機では太刀打ちできないけれど、逆にパッケージで売るタイプのゲームの場合、操作性でどうしても勝てないためにスマホ版の市場が広がらないということなのだろう。前に紹介したとおり相当工夫しているゲームもあるのだが、何しろ基本無料ゲームが先に目についてしまうため、優れたゲームを開発しても利益が上がらない。一時期流行した既存ゲームのiOSへの移植も騒がれなくなってきつつある。
 基本無料ゲームの方もグリーの業績が落ち、パズドラや艦これのように無料でもそれなりに遊べるゲームの方が主流になってくると(元々無料ゲームでしか遊ばない層はゲーマーに比べて思い入れが少ないので特定のタイトルに期待して課金したりはしない)、ますます利益を上げるのは大変になりごく一部の勝ち組以外は淘汰されていくのだろう。そして、この状況はスマホゲームに限らず、スマホアプリ全体がバブルを起こしていた頃からある程度予測されていたことでもあった(参考記事)。

 もちろん、ずっと先、特に海外の市場のことを考えれば徐々に携帯機ゲームの市場はスマホに奪われていく部分もあるのかもしれない。しかし、スマホの性能が上がって携帯ゲーム機のそれを凌駕するようになったとしても、やはりスマホはゲーム機ではないのだ。家庭用PCのグラフィック性能が上がってPCでハイクオリティのゲームが遊べるようになっても据置ゲーム機がすぐには死ななかったように、携帯ゲーム機がなくなる日はもう少し先のことになるのだろう。


 ……それはさておき、とりあえず目前の、iOSで遊べるゲームを探す件についてはどうするか。どうやら以前買ったゲームの中からどれかを選ぶしかなさそうだ。もちろん私としては、そのゲームの出番がない方が喜ばしいことなのだが……。