「11周年記念特別キャンペーン」実施! (2013/11/11)
去年、新ディスク・アドゥリンであれだけ盛り上がったゲームとは思えない。これが11年目の11月11日という記念すべき日のFF11の姿だ。ほとんどのイベントは「○○が倍」だとか「○○にボーナス」だとか、そんなのばかり。新アイテムや新キャラ、新イベントは影も形もない。
聞いた話では、先日の生放送でメナスがPT向けのコンテンツに作り直されるとか発表があったらしいが……全ては遅すぎた。アライアンス(18人)向けのコンテンツがPT(6人)向けに作り直されても、ログイン人数が半分から3分の1に落ち込んでしまっている現在では、人集めの手間を考えるとかつてのフルアラを集めようという手間(もちろんテルを捌くなどの純粋な操作部分の手間を除く)と大して変わらなくなってしまっている(しかもその緩和ですら、フォーラムでは反対者が出る有様だ!)。
「DQXもヤバいんじゃないっすか?」なんて友達に言われたけど、私はFF11とDQXの進もうとしている道は違うと考えている。*1もっというと「FF11は意図的に過疎化させられたのではないか?」という気がしてならないのだ。もちろん、DQXやFF14がFF11のように10年も遊び続けられるゲームになるかどうかという事情は抜きにして、だ。
以下は私の完全に妄想なので折り畳む。気分を害された方がいたら大変申し訳ないと予めお詫びしておく。
これは私の妄想です
私が思い出すのは、旧FF14が発売された時のことだ。
FF11から14へのプレイヤーの移行については、スクエニのスタッフが旧14発売時に口を滑らせたことがある。11のプレイヤーに配慮してその後否定に回ったものの、本音としてはもちろん考えていたはずだ。
結果的には、FF14の発売と時をほぼ同じくしてFF11で追加コンテンツ、アビセアが発売され、停滞した空気に新風が吹き込まれた。「FF14が出たらFF11は見捨てられるんじゃないか」というプレイヤーの危惧に応える形での発表だったわけだが、旧来のプレイヤーにとってはこれがある意味で裏目に出た。「FF11まだ面白いから14に行く必要ないや」……これが多くの11プレイヤーの反応だった。
新生FF14の運営陣が、このことに気付いていなかった、あるいは知らなかったということは考えにくい。当然新生をスタートさせる上で考慮に入れただろう。にもかかわらず、アドゥリン発売から新生版のスタートまでは半年のブランクしかない。アビセアのときとほとんど同じことをやったのは何故なのか。
FF11はアドゥリン発売後に「新要素」を盛り込んだ。それはこの11年間一度も導入されたことのなかった新システムで、しかもこれまでのシステムを根底から覆すものだったといってもいい。今まで11年間続いてきたゲームを、いきなりひっくり返したわけだ。内容の如何を問わず、11年間プレイし続けてきたプレイヤーが急激な変化についてどう反応するか、そのことをまったく考慮できないほど11の運営陣は無能だったのか?
気になることがいくつかある。FF11で方向転換を発表した松井氏は、つい最近までFF14の吉田氏の下でバトルプランナーをやっていた。そして、FF14に盛り込まれる予定の要素を逆輸入する形で、FF11に盛り込んだ。それが先ほどの新システムだ。
何故だろう? 棲み分けを考えるなら、FF14とFF11のシステムは大きく違っていた方がいい。近づければそれだけターゲットとなる層が似かより、被ることになる。何故わざわざFF14の発売に合わせて「両者を近づけた」のか。そしてまた、なぜその新要素についての発表を(あらかじめディスク内に収録されていた内容であったにも関わらず、だ!)新ディスクの発売前でなく、後回しにしたのか。
また、これまた論議を呼んだ、開発のネトゲ実況板まとめサイトへの発言について。アフィブログのあり方を肯定するとか否定するとかそういう話をまったく抜きにしても、よく考えるとこの発言にはいささか疑問が残る。FF11の記事をまとめていたサイトの主が新生をプレイするから更新を休むといって、開発者から出てきた台詞が「お疲れ様でした」だ。その前後の発言を見ても、FF14のまとめサイトとして続けてほしい文脈は読み取れても、FF11をもう一度プレイしてほしいというニュアンスは全く見られない。
もう一つ。FF11の公式スタッフの中に、FF14あるいはそのスタッフへの羨望、嫉妬を隠さずツイートしている人物がいる。普通なら、まともな組織なら考えられない。顧客に向かって「このプロジェクトは嫌だった、あっちのプロジェクトがよかった」なんて発言する社員がいるか? 仮にそれが本音であったとしても、それが会社に知られたらその発言は取り消されるはずだ。なぜ、会社の看板を背負った全世界向けの発言ツールで、この発言が許されるのか? 言い方を変えるなら「会社はその発言を目にする顧客に、どう思わせたいのか? どう感じるように仕向けたいのか?」
そして、この間の「FF14の同接はFF11の同接を超えた」発言。某ゲハブログは煽る意味で「ドラクエはどうした」なんて言っていたが、私はむしろここでわざわざFF11の同接に触れることにこそ作為を感じる。スクエニの運営したオンラインゲームは他にもあったのだから「同社のオンラインゲームで過去最高」と謳えばよかったはずだ。何故わざわざ11“だけ”に触れたのか。
もう昔の作品だが、マヴァール年代記の登場人物の言葉を借りるなら「無能者か裏切り者か、選べ」ということになろうか。結果を見る限り「無能者ではなくて裏切り者だったのではないか」というのが私の推測だ。要するに、11年続けてきた、ある意味保守的なプレイヤーには新システムが受け入れられないであろうことを計算した上で、アビセアの教訓を生かし、既存プレイヤーの追い出しをかけたのではないか、という意味である。
私の周りの狭い範囲で恐縮だが、アビセアの時には旧FF14に見向きもしなかったフレンドたちが何人も、新生を遊んでいる。そして私がチェックしていた、FF11でメジャーだったブログ(例えば妄想竜騎士さんやSpringSnowさんなど)も次々に新生に転向している。どうせFF11に残っても今まで頑張って蓄積してきたものが何の役にも立たないのなら、新天地に旅立とう。そういうことだ。
先ほど述べたように、FF11の同接は減っている。しかし11年もオンラインゲームを遊んできた人間が、いまさら簡単にオンラインゲームをやめられるだろうか? 減ったプレイヤーのうちの何割か、つまり「11の同接を超えた14の同接」のうちの数千、いや、減少数を考えれば下手したら数万人は、11に絶望した層から生み出された。「FF14の接続数向上に貢献した」わけだ。このことを、運営が全く予測していなかったなどということがあり得るだろうか?
もちろん、こんな事情は現在進行形でFF14を遊び、楽しんでいる人たちには何の関係もない。
ただ、どうやら私の好きだったヴァナディールは造物主に見捨てられたらしい。そのことが哀しいだけだ。
何しろ11年だ。思い入れも想い出もある。目を閉じればあちこちの情景が瞼に浮かぶ。手はコントローラーの操作を覚えこんでしまい、他のゲームに慣れるのが大変なほどだ。寝食を忘れてプレイしたことも1度や2度では足りない。私の分身は今もあの世界にいる。
記念すべき日の記念すべき時にこの惨憺たる状況。賭けてもいいが、今の惨状ではもう他の機種への移植など行われないだろう。ここからヴァナディールが蘇ったらまさに奇跡というしかない。それを望む気持ちもなくはないが、当の造り手たちが奇跡を望んでいないのでは、それも起こりようがないのだから。
*1:DQXの危うさは、むしろ展開しているプラットフォームに起因する問題だと思う。