史実とは無関係


 とりあえず、史実ネタを絡めたストーリーにしなかったことは高く評価する。築地さんの作品としてみると「無難にまとめたなぁ」という印象だ。なんとなくまぶらほのMMM(もっともっとメイドさん)のエピソードを髣髴とさせる。青葉とかをB組のキャラっぽく味付けすることもできたとは思うけど、さすがに版権作品であそこまでぶっ飛んだキャラは出せなかったのだろう。
 提督視点ではなくて艦娘視点の話なんだけど、自分の中ではアンソロジーと同様「隣の鎮守府は面白そうだなぁ」という整理。やっぱり自分が想像してる艦娘の性格とかとはかなり違いがあるし。特に主人公の陽炎は……私が想像してた性格とはかなり違ってた。
 また、設定資料的な面からみるといろいろな発見がある。例えば

「装備の口径は実際の口径ではなくイメージを表しているだけ(つまり艦娘は人間サイズ)」
「艦娘は装備を外すと本当にただの人間で、刑務所に入ることもある」
「装備を持ち逃げする艦娘もいる」
「艦娘同士の他に普通に人間の女の子の友達がいる」
「艦種は適性検査で選ばれる(その際CG画像とかヘッドギアという用語も出てきたのでコンピュータも存在する世界)」
「食事と入浴と就寝時以外は装備は外さない」
「与えられている装備の砲身の向きなどは、基本的にイラストの状態のまま固定されている」
「艦娘は足に履いている靴のような装備(主機)で浮力を得、海面上をスケートのように滑って航行する。これを破壊されると沈む」
「背中に背負っているものが動力装置」
「艦娘が着ているものはただの服に見えるが装甲効果のある装備。ただし他人の物を使うと装甲効果が消えてただの服と同じになる」
「艦娘同士は戦闘中マイクで会話している」
スマートフォンも携帯電話も存在するが艦娘は機密上の問題から使用を許されず、支給された万年筆を使い手紙で連絡する」
「艦娘同士は洋上で装備を使って殴り合いの喧嘩をする」
「広島カープが存在する」

 エトセトラ、エトセトラ。
 特に「魚雷は目視で避けれる」というのは意外だった。確かに実際の軍艦と違って命令伝達のラグとかないわけで、移動速度が速ければ避けるのも無理ではないのかもしれないが。なんかこの世界設定だと、実ゲーム上と違って、ガンダムのファンネルよろしく艦載機飛ばしまくる空母が最強になりそうな気がする。

 ああ、そうだ。大事な設定を忘れていた。

「朝食は麦交じりのご飯に里芋の味噌汁、茄子の塩漬けと海苔の佃煮。資源をそのままバクバクやってるわけではない」(その割には何故か赤城さんの大食い設定がそのままなのだが……)