古典的命題

TRPGの古典的命題『首ナイフ問題』


 前にもこのブログで一度取り上げたことがある。

首ナイフ

(俗語:TRPG
「悪漢が人質の首筋にナイフを突きつけた。この行為は脅しとして有効か?」という、TRPGのルール運用にまつわる古典的命題の一つ。
「首にナイフを突き立てられれば致命傷になりかねない」という常識的発想と「ナイフのダメージ期待値は低いので、1回ぐらい刺されても致命傷にはならない」というルール上の処理が対立する。
初期のTRPGはSGの流れを汲み、ルールの厳密化によってあらゆる物理現象を再現しようとする思想が強かったため、このような問題が激しい議論を呼んだ。
物語的な演出をルールに取り込んだ近年のシステムでは、この問題を解決するために、即死攻撃のルール化、「エキストラ」の概念の導入などの方法論が提示されているが、完全な解決に至ったとは言えない。


 「『完全な解決に至ったとは言えない』も何も、エキストラの概念があれば問題自体起きないだろう。こんなのが問題になるのは過去の話だ」と、この用語辞典を初めて見たときは思っていた。

 
首ナイフ問題について


 比較的最近にこんなやり取りがあったこと自体が驚きだったのだが、まとめスレのこの書き込みを読んでようやく理解した。

107: NPCさん 2013/12/16(月) 16:16:34.23 ID:???

首ナイフ問題はもっと大きくゲーム的な処理と現実的な処理の食い違いとそれをすべての参加者を納得させる落とし所はどこなのか、という問題ととらえればええ


 ここまで大きく問題を広げると、確かに今も解決し切れていない部分はあるかもしれない。
 例えば「落下によるダメージは3d6」と規定されたゲームがあったとして、HP100の戦士が高さ100mの塔の屋上から飛び降りようとし「いや、俺落ちても死なないんで」と言われたらどうするか、なんてのはエキストラの概念では解決しきれない。そういう意味では「そもそも人質を取ること自体がナンセンス」というような答えでは本質的な問題の解決にはなっていない、ということになる。(続く)