ボーナスはありません

【TRPG】PL知識や口プロレスはどこまで認めるのが良いのか


 私がGMの場合、無条件の成功はもちろん、判定が有利/不利になるようなボーナス/ペナルティは一切加えない。


 私は行動宣言の巧拙によって判定値を修正したり目標値を変えたりするのは望ましくないと考えている。*1なぜなら、判定を有利/不利にするためには「行動宣言の内容が妥当かどうか」を判断する必要が出てくるからだ。
 冒頭の問いかけにあるように、医学部生や格闘家の行動宣言内容が正しいか判断するには、それ以上の知識を持っていなければならない。また、仮に博識な人間がGMを務めたとしても、実際にゲーム内の架空世界で起きる事象に完璧に精通した人間など存在し得ない。厳密にいうなら、何が正しいかは誰にも判断できないのだ。
 そして、前に紹介した発言にあったように、往々にしてこの手の有利を認めていくと、人間関係で優位にある人間や声の大きい人間だけが有利になるのが常態化し、それ以外の人間にストレスが溜まりがちになる。

機転を利かせるのは有利になるため?

 話の中で指摘している人もいるが、ロールプレイや、ちょっとした知恵を働かせたりや機転を利かせてうまく立ち回ることはキャラクター表現の幅の一つである。うまく立ち回るのを認めることと、それによるボーナスがないことは矛盾しない。アイデアを却下するのではなく、それは演出の範囲にとどまり(ルールに根拠のない)データの有利不利は発生しないというだけだ。
 有利不利が発生してしまうようだと、PCは機転を利かせるタイプばかりになりかねない。頭が回り賢く立ち回るタイプのキャラがいるのと同じように、不器用で美学に殉じる時代遅れのキャラがいてもいい。他のタイプのキャラも同じだ。そこに個性としての優劣はない。PCが全員軍師タイプだとか、交渉事に長けた口巧者ばかりでは面白くないだろう。


 とはいえGMとしては、本当に面白いプレイヤーのアイデアや素晴らしいロールプレイについては、何かルールに則った形で評価してあげられないだろうか、とは常々思う。だからこそ、私は天羅のようなゲームが好きなわけで──(続きはまた今度)。

*1:Aの魔方陣ヒーローウォーズ、聖刻1092のようにそれがルールに組み込まれているゲームを除く。