ワープス(WARPS)
私がこのゲームを知ったきっかけは、確かオフィシャルD&Dマガジンの広告記事だったのではないかと思う。オフィシャルD&Dマガジンと銘打っている雑誌に、関係ないゲームの広告を載せていいのか、当時気になった記憶はあるが……。
ワープスファンタジーの淡いタッチのイラストに惹かれてルールブックを開くと、昔のファンタジーアニメみたいな妙にバタくさいキャライラストにまずびっくりする。しかしルールの中身はイラスト以上に濃く、ビキニアーマーを着ると防御力が増える女戦士を始め、他のゲームに慣れていると「何これ!?」というルールばかりだった。
今なら、このゲームの目指した方向も間違っていなかったと言える。ただ、余りにも世に出るのが早すぎた。しかも、当初アニメが再現できるというウリでサポートされた作品が「逆襲のシャア」と「ルパン三世カリオストロの城」と「アップルシード」……。ルパン以外はどちらも「実はそこにいた」だの「実は生きていた」だの「実は持っていた」だのやられると世界観がぶっ壊れる作品ばかりだった。*1なぜこのセレクションだったのか、今も不思議だ。
10年後に登場していればもっと評価されたのではないか、だがその時には既にデザイナー氏はこの世を去っていたという、余りにも惜しい作品だった。
しかし、である。
私たちの仲間内では少々異なる評価がされた。プレイヤーのなかにガンダムの熱烈なファンがいたのである。反対に私はほとんどガンダムを知らない。どうしてもファンタジーがやりたかった私と、どうしてもガンダムがやりたかった彼の要望は、お互いまったく妥協しなかったためそのまま融合した。*2
私はその時のエピソードを、今でも酒の肴にしている。何しろPCは「シャア・アズナブルとエルフの間に生まれたハーフエルフの魔術師、愛機はサザビー」だ! 腹を立てると『冒険者の酒場』に向かって軌道からレーザーを撃って来たり真っ赤な機体でファンネルを撃って来たりする『ハーフエルフの魔術師』を思い出すにつけ、当時を知る友人と私は「もうちょっと何とかならなかったのか」と腹を抱えて笑い転げる次第である。