共存か、淘汰か

「電子書籍の購入は作家の応援にならない」は本当? 現役編集者に聞いた


 この記事がちょっと話題になっていた。面白かった部分もある。特にこの部分とか。

書籍の刊行点数が近年過剰に増加していることが根本的な原因です。『出版年鑑』によれば2001年に71,073種だった書籍新刊点数は、2014年には80,954種と、1万種近く増えました。


 これは正直思っていた。出版不況だのなんだのという割に、書店の棚はどんどん広くなり、少し前の本は全く置かれなくなっている、と。好況といわれるゲーム業界で、ソシャゲ以外の新作が全然出なくなって棚がガラガラになっているのとはまさに対照的だ。
 しかし、私自身が気になったのはこっちの記事の方だった。


Kindleニュースサイト きんどうが語る出版の未来 「電子書籍は大きな市場にならない」


 ネットの声っていうのは既存のステークホルダーを無闇に否定し、デジタルデバイスを偏重する傾向が強いので普通の電子書籍を礼賛するけど、個人的にはフォーマットが統一され、自由にダウンロードできる(それに伴う著作権保護技術も含め)ようにならない限り、既存の電子書籍は不便だと感じる。配信してる会社がなくなったら全部読めなくなるというのも怖すぎる。
 私は紙の本を一読した後自炊するというスタイルを採っているが、スキャン作業が果てしなく面倒臭いというデメリットを除けば、紙と電子両方のメリットを生かせて自由も利く、現状ではほとんど唯一の方法だと思っている。やっぱり読みやすさでいえばなんだかんだで紙に軍配が上がるから、最初は紙で読みたい。しかし保管する場所は足りないので、読む頻度が減ったら電子にしたい。これなら買っているのはあくまでも紙の本だから流通の人たちも割を食わないだろうし、売り上げにも貢献できる。あとはスキャン作業が今より楽になってくれれば言うことはないのだが……。