昨日の続き

 ところで、昨日のファイティングファンタジーのゲームなのだけど、画面を見る限りゲームシステムはゲームブック版とは違うものになっていそうで(ゲームブック版の戦闘で大量のダイスを同時に振るという処理はない)大変喜ばしい。


 前にもチラッと書いたが、ファイティングファンタジーのシステムはゲームブックだから許されるものであって、TRPG版を見た時には「よくこれをそのままTRPGにする気になったな!?」と思うくらいバランスが酷かった。
 具体的には技術点の存在である。ファイティングファンタジーではこの技術点が「剣の技量」「頭のよさ」「手先の器用さ」「魔法の素質」「身のこなしの素早さ」など、「体の頑健さ」と「運の良さ」以外の全ての要素を兼ね備える万能能力値になっていた。これを6+1D6で決定するが、ぶっちゃけ、これが7か12かでゲームモードがベリーハードからイージーになるくらいの違いがあったのだ。
 戦闘ルールで使うダイスが2D6なので勘違いしやすいが、実はこのゲームの戦闘は敵も味方もダイスを振る。敵と味方の技術点が戦闘中に変動する要素はなく、しかも、攻撃と回避に同じ技術点を使うので、実質は双方の技術点の差を目標値に4D6を振っているのと同じである。
 計算してみれば分かるが、ソードワールドなどで使う2D6に対して、GURPSの使う3D6ですら、合計値は中央に偏る。まして4D6ともなればなおさらだ。
 ちなみに、技術点7はオークにギリギリ勝るくらい。技術点12はマンティコアに匹敵する。ルールブック記載のモンスターでこれを上回るのはドラゴン(技術点16)のみである。

 なお、続編のアドヴァンスド・ファイティングファンタジーで技能ルールが導入され、格差が多少なりと解消するかと思いきや、なんと「技能の習得に使うポイントは技術点と同数」「費やしたポイントを技術点に加算する」というルールだったため、格差がさらに加速するというとんでもない状況だった。魔法の習得にすらこのポイントを使うのである。このルールを作った人は、よほど自分のダイス運に自信があったのだろうか。


 昨日の動画で、もしPCを(能力値こみで)選べるのであれば、問答無用で技術点が一番高いキャラを選ぶところだったのだが──ゲームシステムが違うのであれば、その心配は杞憂に終わりそうだ。


ハウス・オブ・ヘル (HJ文庫G)

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