バランス(天秤)は完全に罠


 24階で取れるバランスを持ってないとハイパーシリーズが呪い装備になってクリア不可とか、よく考えたらひどい罠だよな。クリア必須アイテムを、取ってはいけない装備と勘違いする可能性も高いし。

 ……そういえば、ミカドってドルアーガの塔はあるけどイシターの復活は入らないんだろうか。

これが彼女の選んだ道か

 先日、先輩と昔のPCゲームの話をしていて「あの頃はT&E派とファルコム派に分かれていた」という話になった。当時それを意識したことはなかったが、結果的にはT&E派だったことになるのだろうか。T&EではファミコンハイドライドスペシャルやらMSX2版のハイドライド3やらをプレイしていたのに対して、ザナドゥイースも遊ばなかった。私が意識的にファルコムのゲームを遊んだ最初というと、かなり後の「ダイナソア」になる。ダイナソアの雰囲気が好きで、ソーサリアンやらなにやら、他のゲームにも手を出していったような感じである。
 しかし、私が「これはダイナソアの系譜」と感じたゲームは、その後1本のみ。それが「ブランディッシュVT(移植後タイトル、ブランディッシュ4)」である。前に「ファルコムといえば好きなキャラはクレール」と書いたこともある。なのに、私はこのゲームをクリアしたことがない。属性がルート分岐するくらいまでやったところで挫折してしまったままだ。
 ふとそのことを思い出して、動画サイトを色々漁ってみた。



 で、今更ながらエンディングを見て驚いた。途中までやった私がおぼろげながら想像していたエンディングと全く違ったからだ。
 というより、私が「クレールのダークルートエンディング」だろうと思っていた「塔の力を我が物とし、自分を拒絶したすべての世界に復讐する」という筋書きは、むしろ盗賊ディーのダークルートエンディングに近い。
 では、真の「クレールのダークルートエンディング」はどんなものかといえば、動画のとおり「塔の力を手に入れながらも、親友サフィーユの呼びかけにも耳を貸さず、塔の中に引きこもる」というものだ。最初は「え、これのどこがダークルートエンディングなんだ。むしろニュートラルルートなんじゃ」と思ったけれど、考えれば考えるほど、クレールというキャラクターには、このエンディングが合っている気がしてきた(私がクレールというキャラクターを理解していなかったとも言える)。

 クレールとはどんなキャラかといえば、自分が原因で起きた幼少時の惨劇ゆえに身寄りを失い、修道院に引き取られ、世界のどこにも身の置き所がない、唯一の理解者は親友のサフィーユのみ、という人物だ。そのサフィーユは、敵の魔術によって洗脳され、冒険の途中で敵として立ちはだかることになる。ライトルートはそんなサフィーユを赦すルートだ。



 だから、その逆であるダークルートは「サフィーユを拒絶する」ルートしかない。

 つまりクレールにとっては、世界など眼中にないのだ。彼女にとっては、親友サフィーユこそが世界であり、サフィーユ以外の世界は存在しない。だからライトルートでは彼女を受け入れ、ダークルートでは彼女の呼びかけに耳を貸さない。
 ただ一つ、ニュートラルルートのみが「(サフィーユ以外の)世界を知るため、旅立つ」ルートとなる。そこでは、安直な「善と悪」とは異なる価値観が貫かれている。

 ……素晴らしい。BGMも含め、やはりこの頃のファルコムは神がかっていた。私は当時このエンディングを目にできなかったことを残念に思うと同時に、ダイナソアの後継者はこの作品だと確信していた、当時の私の目に狂いはなかったと再認識した。

 なお余談だが、今回色々調べていて、私は「ブランディッシュVT」の「VT」が「Victim's Tower」の略だったということを初めて知った。まさか24年も前に発売されたゲームのタイトルの由来を、今になって知ることができるとは思わなかったが……。