仲良かったっけ


 原案とは似ても似つかないゲームでありながら、ラスボスが弱いというパワーバランス設定だけがそっくり、っていうのも、なんだか皮肉だ(笑)。
 あと、最後に王様が「昔のように仲良く……」的な台詞を言ってたけど、このゲームはエルフとドワーフは元々仲が良かったっていう設定なんだろうか。

悔しいだろうな……



 上の二つの動画は、どちらも「ブループロトコル」というMMORPGについての動画である。
 初めに断っておくと、私自身はブル-プロトコルをプレイできる環境下にない。なので、これから書くのは実際にゲームをやってみた上での意見ではなく、あくまでも上二つの動画を見比べた上での感想である。
 まず上の動画は、ブループロトコルクローズドベータテストの直後にアップされた動画で、批判的な視点の動画である。そして下の動画は、それに対する反論動画である。下の動画では反論元となる動画を明示していないものの、上の動画が挙げている問題点一つ一つに対して反論していることや、後述する再生数に関する状況などからいって、明らかに上の動画に対して反論している。

 といっても、双方を見比べると分かるが、反論動画の作成者自身が「これはある動画への反論のために作った動画」と明言しているにも関わらず、実は議論としてはあまり成立していない。というのも、批判動画の側は「“現時点で”○○なのが駄目だ」という批判であり、反論は「現時点では○○だが“今後は”こういう理由で改善される予定だ」という主旨で、事実に関しては争点がないからだ。現時点での主張が食い違うのはアイテムの鑑定に関する部分だけで、そこはそれこそ実際にやった人でなければ白黒はつけられないだろう。

 問題としたいのはそこではない。

 本当に問題なのは、実際にYoutubeで「ブループロトコル」と検索すると、かなり上位に(私の環境だと公式についで2番目)上の批判動画がヒットしてしまう、ということの方なのだ。これが我慢ならないからこそ、下の動画作成者は反論動画を作成したのだと思うが、批判動画は再生回数69万回。反論動画は3.6万回、作成時期は3ヶ月前と2ヶ月前で2倍も差がないにも関わらず、再生回数には20倍近い開きがある。
 批判動画の作者は、同作者の再生リストを見れば分かるとおり、どのタイトルも「レビュー大荒れ」だとか「問題点だらけ」だとか「買ってはいけない」だとか、そういう動画ばかりを上げるタイプのYoutuberのようだ(少なくともサムネイルで肯定的な表現が確認できるタイトルがほぼ見当たらない)。なので、純粋にブループロトコルというゲームが好きになったプレイヤーからすると我慢ならないのも、ブラックベリーPrivの一件を体験した身としてはよく分かる。

 往々にして、ポジティブなニュースよりネガティブなニュースの方が人目を惹きやすい。MMORPGでいえば、FF14の時もそうだった。そして、私自身の意見もあの時と同じだ。
 ファンの立場では、批判動画に対して反論動画を挙げること、そしてその動画の視聴数が伸びることを祈るくらいしかできることがない。しかし、公式にはまだできることがある。それは「プレイヤーを増やすこと」だ。新生FF14がそれを証明した。世間一般のネガティブなニュースと違い、MMORPGのネガティブな評判は「実際に遊んでもらうこと」さえできれば(それが事実でないなら)すぐに払拭できる。
 反論動画作成者がアピールする「美麗なグラフィックス、圧倒的な没入感」は、遊んでもらえないことには体験してもらいようがない。逆にいえば、遊ぶことさえできれば100の言葉よりも雄弁に語るはずだ。

 そして、プレイヤーを増やすのに一番有効なのは、対象ハードウェアを広げることだ。

 新生FF14PS3を切った時、そしてDQXがWiiを切った時、私はそれを批判した。今もその考え方は基本的には変わっていない。しかし、違う見方をすれば、少なくともそれまではそれぞれPS3Wiiに門戸を開いていたことが、今の状況を作った。
 新生前のFF14にはそれができなかった。PC版しか出さなかったがゆえに、それ以外のコンソールユーザーは「評判」しか目にする機会がなかった。実物を体験することができなかった。
 MMORPGは始めるまでのハードルが非常に高い。しかし、一旦始めてゲーム内でコミュニティを作ってしまえば、他のゲームに比べて極端に離脱率の低いゲームでもある。
 とにかくプレイヤーが触れるための間口を広げること、批判動画の悪評を覆すには、それしかないと思う。


追記:このエントリを上げるにあたって再度検索し直してみたら、検索結果の下の方に、割と褒めちぎっている92万再生の動画があることに気がついた。



 私の環境で、何故これが上位の結果に出てこないのかは分からない……。