ギャルゲーの方の話


 昨日と同じ動画だけど、今日はギャルゲー側の話。
 再生位置直後で話題になっているToHeartの志保のシナリオは、当時もかなり論議になった記憶がある。確かにマグロナのいうとおり、友人のためを想って身を引くエンドはいい話ではあるんだけど……志保のシナリオが評価されなかったのは、斬新すぎたからではなくて、シナリオ中での描写のされ方のせいだと思っている。身を引く当の相手に向かって「あんたたちのためを想って身を引いたのよ」と言ってしまっては、それは当てつけになってしまう。これが人伝に知るとか、モノローグだったら評価は違っただろう。
 PSでの変更後シナリオもまたアレで「高校時代はあんたたちのためを想って身を引いたけど、やっぱり堂々と奪い合うことにしたから」って、これまた本人に向かって正面から言ってしまうせいで台無し感が強い(笑)。

 まぁ、あの頃はキャラクターの魅力といえばLeaf、シナリオの魅力といえばKey。ToHeart2の環のようにキャラは魅力的なのになんでシナリオはこんな……とか、Airのように話は凄くいいけど好きなキャラは特に……みたいな感じだった。
 そんな中、シナリオとキャラの魅力が両立する極めて稀有なキャラが痕の千鶴だった……って、そこはマグロナに凄く共感できた(笑)。

 あと、コメントで由綺と理奈の専用コンボを……って言ってる人がいたけど、アレは酷い技だからな……。基本即死コンボなんだけど、自分の体力が半分以上残ってないと自分が先に死ぬっていう(笑)。*1

悪魔の3人


 昨日の続き。自分の「アランシアの悪魔の3人」の知識は、このモンスター誕生の前書きと、設定資料集「タイタン」からの知識だったんだな、と読み返していて改めて思った。
 それにしても、この3人。読み比べると個性の違いが結構出ていて面白い。


 まず、オルドラン・ザゴール。そもそも、ザゴールの本名が「オルドラン・ザゴール」だというのも、今回初めて知ったのだが……なんで一人だけファミリーネーム?
 彼は作中では「魔法使い」と呼ばれている。原語だとウォーロック(Warlock)だ。背景部分を読むと、近隣の村はその存在を恐れているが、軍団を集めて侵略戦争を開始しよう、と動いているようには見えない。被害は出ているので討伐されるべき存在ではあるが、世俗の権力的なものに興味があるかは疑問だ。


 次にバルサス・ダイア。彼は作中では妖術使い、デミ・ソーサラー(Demi Sorcerer)と言われている。これは何故かというと、主人公が魔法使いの弟子なので、ザゴールと同じ「魔法使い」と呼ぶと、区別できなくなるからではないかと思う。
 彼ははっきりと、積極的に軍団を糾合して周囲に侵略戦争を仕掛ける気満々である。そのための図面も引いており、討伐理由もこれに基づく。主人公の前には割と正々堂々と姿を現すので、邪悪ではあっても正統派で、あまり搦め手というか、変化球を使ってこないイメージがある(ガンジーをどうやって手懐けたかは謎だが……)。


 最後にザラダン・マー。彼は最後に登場するだけあって、上二人のハイブリッドな感じだ。呼称は「死霊術師」。原語はネクロマンサー(Necromancer)。背景及びパラグラフ1までで確認できる限りでも、軍団を組織し、周囲に侵略戦争を仕掛けようとしている点はバルサス・ダイアと似通っているが、そのためにエルフの煙を狙う、情報収集のために自ら変身して潜入する、ガレーキープを狙うなど、単に軍勢を集めるだけではない間接的な手段も使っており、力押し一辺倒ではない。扱う魔術も多彩だ。
 ただ、死霊術師といわれる割に、死者を操るような印象的な場面はオープニングまでの段階ではないようだ。マランハ*2のことを指しているのだろうか?
 なお、今回ザラダンの言語表記を調べるために英語版アマゾンを調べたが、こちらの表紙の方が良かったのではないかという気がした。

 原語版の表紙も変わっているようなので、翻訳スタッフが悪いわけではないが、日本語版に使われている表紙はこちら。 下は言うまでもなくザラダン。上は主人公の姿である。本作の主人公は人間ではなくモンスターだが、何のモンスターなのかはオープニングでは明記されず、自分に関する文章描写も限られているので「自分がどんな姿をしているのか」がイメージしづらい。上の表紙なら「あ、今の自分はこれなのか」とイメージできる。逆にザラダンの姿については、マンパンの大魔王などと同様、邂逅したパラグラフの挿絵で十分だと思う(まぁ、それを言ったらバルサスの表紙もガンジーなんだが……)。


 余談だが、ピクシブ百科事典には何故か詳細な「モンスター誕生」の項目がある。こちらをご覧いただけるとわかるが、モンスター誕生だけではなく、邦訳されたファイティングファンタジーシリーズの各作品にそれぞれ詳細な説明がある。恐らく、編者にゲームブックの熱烈なファンがいるのだろう。ホビージャパンの再邦訳版がわざわざ別項目にしてあるくらいだ。ホビージャパン版も評価されるべきという意見には全面的に同意する。
 しかし、何故か火吹き山の項目だけが作られていない。これだけの手間を掛けている以上、絶対に意図的なものだと思うが、理由は分からない……。

*1:ビンタを撃ち合う技だが、ビンタして仕返されて再度ビンタ、で50%ずつ減っていくので、自分の体力が半分ないと反撃のビンタで仕掛けた側が死んでしまう。

*2:「モンスター誕生」の造語のようで、意図的に訳されていない。内容としては、生物を合成して異形の生命体を生み出すキメラ創造術のようなイメージ。「霊」を召喚したり、死者を操ったりはしていない。