これもタイトルだけ……


 これもタイトルだけ知ってたパターン。しかし、こうしてプレイ動画を見てみると、どこが「守る」で「攻める」なんだろう。

またシーフの話(5)

togetter.com


 今回は一連のシーフに関するエントリの最終回である。

 これまで散々シーフの有用性やら何やらを力説してきたものの、CD&Dを遊んでいた頃、私が一番苦手としていた職業がシーフだった。
「そんなオチかい!」と突っ込まれそうだが、プレイグループの半分は同じような意見だった。渋くてカッコよく、ピカレスクなロールプレイができて玄人好みのするクラスのように見えながら人気がなかった理由は簡単。D&Dの全てのクラスの中で一番、ダイスロールに大きなプレッシャーがかかるクラスだったからだ。

 先日のエントリで「マジックユーザーやクレリックと違い、シーフは最初からすべての能力を持っている。レベルが上がると成功率が上がっていく」と書いた。これは逆にいうと「低レベルではすべての能力の成功率が低い」ことを意味する。
 またしても例を挙げての説明になるが、例えばダンジョンを踏破していったら断崖絶壁が突如出現し、シーフの「クライムウォール」の能力がなければ先に進めない場面が出てきたとしたら。あるいは、領主の依頼で敵対者の屋敷に忍び込んだら、鍵のかかった箱の中に手がかかりがあることが分かり、オープンロックを使う場面が出てきたとしたら。*1本来シナリオの作り方として望ましい形ではないものの、シーフの判定が失敗したことでシナリオの結果が失敗になることがあるかもしれない。
 マジックユーザーやクレリックはどうかというと、呪文発動は基本的に失敗しない。仮に魔法をかけた相手がセービングスローに成功したとしても、それは術者の失敗というより、敵の成功だ。シーフの能力はそうではなく、明確に本人の失敗になる。しかも、この成功率はレベルの上昇以外に上げる方法がない。
 加えてキツいのが、シーフが複数人いるパーティが非常に稀だ、ということだ。マジックユーザーとエルフが共存し、魔法使い呪文の使い手が複数いるパーティは珍しくなくとも、シーフを二人以上抱えているパーティは珍しいだろう。ゆえに、失敗をカバーしてくれるメンバーがいないのだ。
 仲間内でしばしば愚痴られていたのは、エルフが魔法使いと戦士のハイブリッドだというなら、なぜハーフリングをシーフと戦士のハイブリッドにしてくれなかったのか、ということだった。せめてパーティ内に複数同じ能力持ちがいれば、フォローもし合えるはずなのに……。また、AD&Dの2ndエディションでレンジャーやバードがシーフの能力のいくつかをカバーしていたことも、シーフのプレイヤーは非常に羨ましがっていた。

 かくて当時のプレイグループでは、シーフに強い思い入れがあるか、他のプレイヤーからのプレッシャーを感じないタイプのプレイヤー以外はシーフを敬遠するようになってしまったのである。

*1:レベルが上がれば前者はフライの呪文、後者はウィザードロックの呪文で代用可能だが、リムーブトラップだけは最後まで代用不可な気がする。