ほたるが全部持っていった


 なるほど、最終回で新キャラを紹介して〆か……と思ったら、ほたるが全部持っていってて大草原。

 しかし、これを見てるとやっぱり、艦これのアニメも鳴り物入りで大仰なものをやるより、5分アニメとかでちまちまキャラ紹介とかをしていった方が、コンテンツの未来を考えるとメリットになるような気がするなぁ。

コロコロ少年の思い出(13)・「そこにはエルフが多かった」


 TRPGのGMを経験したことのある方。最大プレイヤー人数の自己記録は何人だろう。

 ……と、このネタを出した時点で「ああ、これは自慢話ではなくて失敗談だな」と分かる人は、かなりTRPGに慣れた人だろう。
 ちなみに私の最高記録は10人である。先日書いたとおり、最初のプレイグループのクラシックダンジョンズアンドドラゴンズのキャンペーンのプレイヤー人数は全部で11人なので、1人を除いて全員を一箇所に集めたことになる。この人数になると、もう個人宅に集まるのは無理だったが、正式な同好会やクラブではないから学校に場所はなく、公民館を借りた。ありがちな話だが、借りる時にTRPGとはどんなものかを説明するのに四苦八苦した記憶がある。
 で、この時のセッションは、お察しのとおり大が付くほどの失敗だった。考えてみてほしい。セッション時間が4時間として(公民館を借りているから無制限にはできない)、240分のうち、一人のプレイヤーに割ける時間が24分しかないのだ。残りの200分以上、そのプレイヤーは何をすればいいのか。例えば戦闘でも、攻撃する対象を決めて命中判定をし、ダメージ判定を9回繰り返す間、見ていることだけしかできないのだ。
 今から考えればそういう結論になる。しかし当時は「人数が多いほど盛り上がるし楽しいだろう」くらいの漠然としたイメージしかなかった。始まってみると、キャラクターシートを忘れたプレイヤーがいたことから、キャラクターシートを作り直し、依頼のきっかけになる馬車の襲撃の戦闘をこなした──ところで、時間が切れてしまった。オープニングすら終わらなかったのだ。


 私は猛省した。半ばトラウマに近いといってもいい。今のプレイグループの仲間はご存知だろうが、私が比較的少人数のセッションを好むのは、この時の体験があったからである。プレイヤー6人の卓があるなら、二つに分けたほうがいいというのが私の意見だ。5人ですら私はそうするかもしれない。
 しかし、この時反省したのは、私だけではなかった。プレイヤーもだった。どうなったかというと、プレイヤーが集まるのを待たなくなったのだ。遊べる人数が最小限でも、DMが動けるならセッションをやろうと言い出すようになった。

 すると、その影響はどこに出てくるか。PCのキャラクタークラスの選択に出てくるのである。

 この時のD&Dのクラス編成は、重複も含めてこうである。ファイター3、マジックユーザー1、クレリック2、シーフ2、ドワーフ2、エルフ3、ハーフリング1。マジックユーザーが少なく、エルフが多い。

 というのも、当時D&Dのネームレベル以上をどうするかについて、プレイグループでは結論が出ていなかった。DMである私としては「よくわからないから、多分やらない」という姿勢に近かった。レベル9以上まで上がらないとなると、途中で成長が止まるというドワーフやエルフ、ハーフリングといったデミヒューマンのデメリットが少なくなる。
 こういった前提を踏まえて考えると、CD&Dの初期にPCとして選択可能な7つの職業のうち、マジックユーザーだけが突き抜けて脆弱なように、その頃の私たちには見えたのである。
 マジックユーザーのアーマークラス(防御力)は9。これは魔法を使わない限り変動しない。マジックユーザーのみ全てのアーマーが装備できないので、どれだけ優秀なマジックアイテムが出てもこの値は変わらない。敵はどんどん強くなるのに、だ。
 一方、マジックユーザーに次いで防御力が低いと思われていたシーフだが、うちのシーフは二人ともDEXが18あり、アーマークラスはレザーアーマーでー2、敏捷性の修正を加えるとー5。チェインメイルを着て盾を持った戦士と同程度である。魔法のレザーアーマー+2が登場したこともあり、その防御力はプレートメイル並みだった。
 そして、これ以外の職業は全て防具に制限がない。
 つまり、敵に取り囲まれて攻撃されると、マジックユーザーだけがピンチになる。*1もちろん、普通のセッションなら他のPCがこれを防ぐだろうが、メンバーが不定であるという環境がそれを難しくする。極端な話、プレイヤーが3人集まった時、うち二人がマジックユーザーだったりしたら戦闘そのものが成立しない。


ダンジョンズ&ドラゴンズ 呪文カード 秘術

ダンジョンズ&ドラゴンズ 呪文カード 秘術


 かくて、うちのプレイグループでは「マジックユーザーの代わりにエルフ」という風潮が生まれ、エルフの数が戦士並みに多いという環境となったのである。*2もちろん、私がインテリジェントソードを配りまくったという事実が、この傾向に拍車を掛けたことは否定しないが……。*3

余談

 なお、当時のプレイグループにはもう一つ、奇妙なローカルルールがあった。それは「戦闘中には、たとえ有利になるとしてもインビジビリティ(「透明化」の呪文)は絶対にかけてはいけない」というものだ。
 これは、当時公式雑誌のドラゴンマガジンの記事で「インビジビリティで姿が見えなかったため、仲間にライトニング・ボルト(雷撃)の呪文を誤射されて死亡したPC」が登場したからである。なお、この時誤射したPCは、前に紹介した、ワイト(幽鬼)もろとも仲間を閉じ込め見殺しにしたのと同じマジックユーザーである。
 ……なんか当時はアライメント論争とか、結構話題になったプレイングだけど、今から思うと、自己弁護が上手いダメなプレイヤーだったんじゃないかという気もしてくる(笑)。というのも、この時のセッションはメタルフィギュアを使って位置把握をしていたことが、写真つきで掲載されていたからだ。フィギュアが盤上から消去されることはないわけで、これわざとやったんだよな、多分……。

*1:実際、キャンペーンの初期にマジックユーザーPCがドッペルゲンガーに襲われ一人だけ死んでいる。

*2:メンバーが不定なので、成長が遅いというデメリットも意味が薄い。

*3:マジックユーザーとクレリックは装備できるインテリジェントソードやその代替アイテムが存在しない。