今日は昔話である。
先日、ソルビアンカというアニメの主題歌についてちょっと触れた。今日はその「ソルビアンカ」の話をしよう。
Wikipediaには、ソルビアンカという作品が二つ掲載されている。
後者の説明にはこうある。
『ソル・ビアンカ』の世界観を引き継ぎつつも、前2作とは連続しない独立したストーリーを持ったリメイクに近い形で制作された。
これにはちょっと異を唱えたい。確かに新作である「太陽の船ソルビアンカ」(新OVA)は一見すると旧作である「SOLBIANCA」(旧OVA)と設定が異なり、繋がっていないように見えるが、新OVAをラストシーンまで見ると、旧OVAに繋がるシークエンスが1シーン存在する。つまり新OVAは旧OVAのプリクエル、前日談という位置づけなのだ。
私がこの作品を知ったのは、バブルガムクライシスを知って間もない頃。かなり初期に見たOVAである。TRPGゲーマーからの視点だと、当時サイバーパンクよりはスペースオペラの方が参考作品は多かった。スターウォーズを始め、ダーティペア等々。ただ、ソルビアンカを見た私の印象はそれらとは違う「お洒落なスぺオペ」だった。
宇宙服も、この頃流行だったぴっちりしたセクシー系のスーツも着ずに、普通に普段着でブリッジにいるシーンである。あと分かり辛いが、インターフェースが他の作品では見かけない独特なもので、全ての指にトリガーがついた操縦桿のようなものを両手で操作しているのも面白かった。
……とはいえ、これらについて語ることが今日の本題ではない。今日の本題はこっちだ。
ソルビアンカのPCエンジン版ゲームだ。この作品は、TRPGと深く……はないが、多少関係がある。このPCエンジン版の制作には、クラシックD&Dの翻訳を手掛けた大貫昌幸氏率いるORGが携わっているのだ。
といっても、私は最初からそれを知っていたわけではない。見覚えのあるアニメのゲーム化作品だからと遊んでみたら、ゲームシステムに仰天したのがきっかけである。このゲームは格闘、射撃、攻撃型ESP、防御型ESP、PS(パワードスーツ)というスキルをキャラクターごとに成長させていくシステムになっている。この種別(パワードスーツ以外)、どこかで見たことはないだろうか。……そう、戦士、盗賊(狩人)、魔法使い、僧侶。なんとこのゲーム、スペースオペラの皮を被ったファンタジーRPGなのだ。
ゲーム画面を見てもわかるが、普通にパーティで隊列を組み、ダンジョンを歩いていくとモンスターとの戦闘になる……どこからどう見てもファンタジーRPGだ。しかも、原作にはESPもモンスターも影も形も出てこないのに、である(笑)。こんな大胆な翻案をやってのけたのはどこの誰かと調べてみたら、ORGの名前に行き当たってさもありなんと納得した、という次第だ。
原作の熱心なファンからは異論もあるかもしれないが、同じくOVAからゲーム化されたバブルガムクラッシュが相当アレなアドベンチャーゲームになっていたことを考えると、原作とは別物でもRPGとして楽しめる分だけこちらの方が好きだった。台詞が聞き取り辛いのだけは難点だったが……。