リアルウォーキングイベントの話(続き)

 会場に着いて間もなく「リアルイベント開始のため読み込みが発生します」というシステムメッセージと同時にゲームが再起動。ただこれが私が会場にいたせいなのか、それとも時間になったら全国のプレイヤーに表示されたのかはわからない。
 万博記念公園駅の構内に、ドラクエのテーマ曲が流れ、巨大なスライムのオブジェが飾られていた。



 会場に向かうにつれ、気になったのが、会場外に並ぶ長蛇の列だった。もしかして入場制限か何かがあって、会場に入るだけで凄い待たされるのだろうかと心配になったが、ずんずん進む列もあったので、そちらについていった。違ったら戻って並び直せばいい。係員からチラリと聞こえたのが「入場チケットをお持ちでない方は~」という案内。もしかしてこの列は入場チケットを買う列か? 列そのものが数か所で分断されていたため、全体の人数もわからず、入場までにどれくらいの時間がかかっているのかも見当がつかない。前売り券を勧めてくれた動画主に心から感謝しつつ先へ。



 有名な太陽の塔だ。これがゲーム画面だとこうなる。



 ちなみに、太陽の塔は今回のイベントと関係なくお土産ポイントでもあり、クエストが発生する。



 着いて早々、今回のイベントの目玉の一つ、メガモンスターの討伐へ。
 今回のイベントで「通信環境が厳しい」と感じた場面二つのうちの一つだ。


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 ご覧のとおり、名前すら表示されない人が一人。顔が表示されない人が二人いる。そもそも会場は挑戦者で溢れているはずなのに、これだけしか人数が埋まらないのも違和感がある。
 で、このままメガモンスター戦に入れればまだよかったのだが、数回の通信エラーによる切断の後、こうなった。



 なんと、参戦者が自分だけだ。3パーティいるように見えるが、他は全てNPC。つまりソロ討伐である。



 この状態になったおかげで(?)他の人の通信に左右されず、討伐できた。ちなみに私の会場入りは開場2時間後なので、メガモンスター出現直後はさらに混雑したと思われる。
 そしてもう一つがこの画面だ。



 実はこれ、イベントの告知画面である。本当はこう表示されるはずだ。



(クリア時点の画面)


 この画面の読み込みでエラーが頻発してしまう。全体地図が見えないのには苦労した。
 ただ、通常のゲーム画面の表示ではエラーは一度も発生しなかった。この画面でもチェックポイントそのものは目視できるので、イベントは進行可能だ。



 後で紹介する動画で「通信エラーで怒って帰った人がいる」などと言われているが、少なくとも入退場の混雑の中で、そんなことを騒いでいる人は一人も見かけなかったし、そもそもそんな殺伐とした雰囲気は全く感じなかった(ただ、入場待ちはかなり大変そうだった。前売り券を買った方がいいと勧めたのはそれが理由である)。
 参加前はロードス島伝説の「最も深き迷宮」に挑む百人の勇者の一人で、最初から2番目の部屋辺りで魔神にぶっ殺される英雄くらいの心境だったが、あまりにも盛況で人が多かったので、そんな気分も吹き飛んでしまった。

 さて、上の画像について話したいことがもう一つある。Dのチェックポイントの向こうにAのチェックポイントが見えている。そこまでは、緑と水辺しか見えていない(よく見ると建物も表示されている)。なので、これを見る限りDからさらに直進すればAに行けそうに見えるが、実はこれが今回のイベントの一番の罠なのだ。
 チェックポイントAとCは、公園内でさらに区切られた「日本庭園」というエリアにあり、そこに入場しない限りチェックできない。しかし、そのエリアの入り口は一か所しかなく、他にもゲートはあるが全て封鎖されている。つまり、直進に見えるが大きく迂回しないと入れないのだ。
 さらに私を苦戦させたのが、公園の表示である。「日本庭園前ゲート」という場所があるのでそこに向かい、通過した後直進したところ、完全に迷ってしまった。「前ゲート」という名前だが「通過後、右折」しないと日本庭園に辿りつかないのである。

 ただ、目的地に辿りつくまでに迷いまくるのも、ドラクエらしいといえばらしいが。


 チェックポイントを探してうろついている時に、通りすがりの人──勇者の一人に話しかけられた。
「チェックポイントAは見つかりましたか?」
 私は見つからない、と話した。どうやらこっちではないらしい、と。
「割と近くに見えてるんですけどね」
 別の勇者が言った。スマホを見ながら歩いているので勇者はそれとすぐわかる。今日のこの場所は、堂々と歩きスマホができる稀有な場所なのだ。
「直接行けないみたいですよ」
 私たちの会話を聞いていたらしいカップルの勇者が、回れ右して去っていく。
 お互い頑張りましょう、そう言って別れた。フレンドになってもよかったかな、と思いつつ、通りすがりの人とフレンドになる方法を私は知らなかった。



 そしてようやっと着いたポイントA。



 カンダタが鉄アレイを上げ下げしている。この場所のイベント進行はこうだ。



 ウェイトリフティングをしているという設定で、実際にウェイトリフティングしている訳だ。他のポイントにもこういう小ネタがある。こういうところは非常に面白かった。他の場所にもすべてカンダタはいるが、一般プレイヤーと記念撮影などをしていた(そして一般プレイヤーの現実の画像は、当然原則撮影禁止である)。なのでここでは公開できない。
 そして、紆余曲折の末、全てのチェックポイントをクリアした。



 迂回した道も含めて、イベントにかかった時間が約3時間。迂回しなければ1時間くらい短かったかもしれない。なお、チェックポイント間を走って回るのは多分無理である。人出が多すぎて、間を駆け抜けるとかなり迷惑になりそうだ。
 そして歩数がこのとおり(途中バッテリーを充電しながら歩いた十数分の分は入っていない)。



 一日2万歩歩くことは滅多にない。そう考えると、やはり10万歩でロックがかかるのも無理ないとも思える。

 なお、イベントについてはこんな動画が上がっている。




 私は下の意見に近い。実は、上の動画のBanana氏は、イベント直前に足を負傷した後高熱を出し、イベントに参加できていない。ツイッターなどで過激な意見などを拾っただけという立場で、現地の雰囲気などを直接感じている訳ではないことは割り引いてみる必要がある。直接現地に行った身としては、下の動画のうたたね氏と同様、いくつか難点はあるし、改善して欲しいところもあるが、全体としては楽しめた、というあたりになる。

 改善して欲しいところをまとめるとするとこうなる。


 まず、費用も掛からず手間もほとんどかからない改善点としては「公式ホームページで、前売り券の購入を強く推奨するべき」だった。これは現時点でもまだ記載されていないが、これをするだけで、現地の係員の手間も相当省けるはずだ。今回のイベントに参加して思ったが、本当に老若男女、かなり年配の方から、小さな子供連れまでいて、ドラクエというゲームの層の厚さを実感した(帰りの千里中央駅で、上品そうなご婦人がメタキン剣を振り回していて心底びっくりした。──覗き込んだわけじゃなくて、たまたま目に入っただけだよ!)。そんな人たちが皆なかなか入場できずに待ちぼうけされているのは、見ていて心苦しかった。私が順調に入れてしまっただけになおさらそう思う。


 それと、根本的な問題として、このタイプのイベントで開催期間が二日間は短すぎる。一カ月、それが無理なら2週間。ノベルティの交換や物販、イベント広場の対応は土日にしかやらないと限定してでも、開催期間は長くすべきだった。この混雑は、明らかに開催期間の短さによるものだ。電波障害の問題も、ここに起因する。もしかしたら、開場側の都合もあるのかもしれない。ただ、DQWのイベントなのだから、イベントが発生するのはあくまでもゲーム画面、現実世界での対応を最小限にする方法もあるのではないだろうか。


 上の課題に関連して、物販やクリア記念交換品の対応で人手が足りていなかったというのがある。私はノベルティをもらうつもりは最初からなかったが──しかし、現地での交換窓口の列を見て、元からもらう気がなかったのがさらにマイナスになった。通信環境に怒って帰ったというのではなく、リアルノベルティがもらえずに怒って帰ったという人がいたら、それは正直分からないでもない。それくらい列が凄かった(追記、他の動画を見ていたら、交換品は12時頃までに並ばないとアウトだったらしい。ただ、数量限定は公式サイトにも書かれていたはず)。
 

 細かい点でいうと、チェックポイントはカンダタと戦闘にしてほしかった。ドラクエなのだから、タップして終了は何だか味気ない。最初は全部のポイントにいるのがカンダタというのもちょっとどうかと思ったのだが、前述のように現実世界とリンクさせるならカンダタくらいしかないのは分かる(他のモンスターでやろうとすると着ぐるみがただ立ってるだけになる)。
 メガモンスターもいつものスライムだけではなく、強力なモンスターもいてもよかった。ドロップする心は実用性がなくてもいいので。何しろこの会場、この状態なのだ。



 現在、ゲーム内ではダイの大冒険のコラボ開催中なのだが、そのオブジェクトが一つもない。これはまた書こうと思っているが、このゲームは地図上で表記される施設単位でオブジェクトが配置されているらしく「巨大な一つの公園」は一つの施設と見做されているのだ。
 何万人? もの勇者が集結しているのに、見えているのは覚醒エビルプリースト一体だけ(これはイベント用モンスターではない)である。これは寂しい。


 まぁ、色々言ったがこういうイベントの開催は、これまでポケモンGOのリアルイベントくらいでしか実績がなく、そこでも電波障害は起きたらしいから、ある意味回避は難しいのかもしれない。多くの人たちが楽しめたのは間違いないはずなので、さらに多くの人が楽しめるよう、是非次に生かしてもらいたい(追記:2日目はアイテム交換も入場もかなりスムーズらしい)。

イベントはまだ終わらない

 さて、全てのチェックポイントを回り、ノベルティをもらわずに会場を後にしたが、私にはまだやるべきことがある。大阪の名物を食べて帰る? いやいや、そうではない。ドラクエウォークには「地域限定モンスター」が存在する。



(一番左の白薔薇の騎士がそれ)


 イベントが終わったら、大阪を去るギリギリまで地域限定モンスターの心集めをすると決めていた。しかしこれがなかなか集まらない。



 新幹線発車時刻である16:45の8分前ギリギリに、ようやく二体目の「桃色三姉妹」の心を入手。これにて私のリアル大阪イベントは終了である。


 全国の勇者の皆様、お疲れ様でした。次は来年予定されているEASTのイベントで──行ければ──お会いしましょう。