強いのかもしれないけど……


 ウロボロスの杖については、既に運営も不具合を認めて現在調査中となっているが、それとは別に「単体攻撃用武器として使った時に非常に強力な武器だ」と評価する動画があちこちで上がっている。しかし、もしこれが本当に単体攻撃が強いというだけの武器だということが事前にわかっていたら、私は引かなかった。
 結局ドラクエウォークのプレイ時間の大半はレベリングを含めた雑魚狩りであって、ボス戦の機会はそれに比べればずっと少ない。さらに、狩り性能が有用といっても単に強いだけというのではなく、ウロボロスの杖のスキル説明にある「メタル系に有効」のような付加価値があって初めて選択肢に入ると思う──特に私のように廃課金でもない身としては。

 今のところウロボロスの杖の問題点とされているところは2つある。
 1つが「敵が消滅するところの判定に、本来ダメージを増加させるはずの暴走の効果が乗ってしまう」という点。もう1つが「敵が3体いる時に、なぜか単体攻撃を使ってしまう」という点。後者については、前に記事でも(その時はあまりネガティブな意味ではなく)書いたことがある。
 改めて書くと、このゲームにおいては、例え強力なスキルを持つ武器であっても、ウォークモードにおいてオート戦闘でそれを使用しないのであれば、実性能は低いと評価せざるを得ない。今回のウロボロスの杖のスキルがまさにそれだ。
 特に先述の付加価値にあたる「メタル系に有効」という部分が問題だ。このゲームではメタル系の敵は雑魚に混じって出現し、しかもランダムに出現する。そして、今の仕様だとウロボロスの杖は「敵が3体以下」の時点で、メタル系に有効な対複数用のスキルを使ってくれない。ということは、敵が4体以上いる状況でなければ、性能が発揮されないことになる。出現時点で3体以下ならもちろん、装備者の行動前に敵が3体以下まで減った場合ももちろんアウトだ。
 このため、先に上げた2つの問題点の内、暴走判定の方のみ修正されるということであれば、この武器の有用度はかなり低い。もし、3体の敵に対してAIが単体攻撃を使ってしまうという部分も修正されるのであれば、本来の性能を生かせる武器になる。ただ、これはかなり微妙な話だ。「単体攻撃の威力が非常に高いが故に、複数攻撃ではなく単体攻撃を選んでしまう」というロジックなので、これを「単体攻撃の威力を落とさないまま、複数攻撃を選ぶようにAIの判定基準を変える」というのは、果たしてできるのかどうか、ちょっと疑問がある。
 繰り返しになるが、不具合の修正がどういう形でされるのか待ってみないと、この武器の真の性能はわからない、ということになるだろう。

原神の話

 「お前今まで散々言っといて結局原神を遊んだのか」と言われそうだけど「これだけ話題になってる作品を遊ばないで批判するのは良くない」という、FF14を始めた時と同じ動機でとりあえず触ってみた。
 同じようにこのゲームを遊んだ友人は、このゲームをコンシューマゲームの一種と捉えて「ガチャを回さず、ストーリー進行によって入る仲間だけを加えて普通に進め、実装されている部分の最後のストーリーまで到達できたので満足してやめた」と言っていて「なるほど、そういう楽しみ方もあるな」と思ったが、私はその正反対で、このゲームをソシャゲとして遊んでいた。どういうことかというと「デイリーミッションをこなして石を貯め、強いキャラを引いたら進めよう」という遊び方をしていたのだ。

 というのも、私は前にも「モンハンのようなアクションゲームは苦手」と言ったことがあるが、それに輪を掛けてこのゲーム、回避行動という概念すらない。回避しようとするとダッシュの無敵時間で躱すとかいう話になるが、これが非常に厳しい。
 勝手にペルソナ5スクランブルのような無双ゲームを想像していたが、実際には敵に取り囲まれてボコボコにされるという事態が頻発して、なかなか進められなかった。で、ある時攻略サイトを見てみたら「鍾離」というキャラクターを入れると強い(入れるだけで別ゲームになるレベル)と書かれていた。



 このゲームは、シールドを張っていると攻撃を受けてもノックバックしない。シールドを張れるキャラは何人かいるが、ほとんどのキャラは効果時間よりもリキャスト時間の方が長いので、張り続けるということはできず、どこかのタイミングでシールドが必ず外れる。しかしこの「鍾離」というキャラクターだけは、リキャスト時間よりも効果時間の方が長く、ダメージを受けて破られない限りはシールドを常時張り続けて戦うことができるという特徴を持っている。
 ただこのキャラは限定キャラなので、ガチャが開催されている時でないと引くことができない。なので、私はこのキャラがガチャに出てくるまでずっとデイリークエストをやり続け、ガチャが開催されるのを待ち続けていた。そして結局、引くところまでプレイする事はできたものの、そこでやめてしまった。



 これはゲーム内容が悪いというよりも、私の遊び方が悪かった。友人のようにこのゲームをコンシューマーゲームと思って遊んでいれば、こんなことはなかっただろう。しかし、このゲームをソシャゲとして遊ぶと、ひたすら同じクエストをやらされ、似たような相手とだけ戦い続けさせられることになり、非常に飽きが来るのが早い。しかも一般的なソシャゲと違い、アクションゲームではながらプレイができない。同じ作業を続けた結果、とりあえず目標にしていたキャラが入手できて、どんなキャラということが分かって、一通り使えたら、もうこのゲームはもういいかという気分になってしまった。燃え尽きてしまったという感じだ。

 ちなみにこの「ながらプレイができない」という点については、事前に想像していたのと違っていたというのも大きい。「勝手にペルソナ5スクランブルを想像していた」と書いたが、このゲームにもパーティメンバーを編成する画面があったので、自キャラが止まっている間でも、P5SやDQXのように、パーティメンバーがAIで勝手に戦ってくれるものだとばかり思っていた。
 実際には、パーティメンバーは「切り替えられる」だけで、画面上で戦うのは常に一人だけ。見方を変えれば、主人公が「パーティメンバーに変身する能力」を身につけているのみで、仲間なんていないようにも見える。彼らと肩を並べて戦うシーンはないからだ。マルチプレイ対応にするためにそうするしかなかったのかもしれないが……。

 加えて、システム面から見て非常に辛かったのが、このゲーム、デイリークエストを進めて名声のようなものが上がれば上がるほど、敵が強くなるというシステムになっている。それを抑えるためにわざと名声を上げずに戦うと、こちらのレベルを上げられなくなるので(限界突破アイテムが集められない)、本当に同じ弱い敵をひたすらやり続け、こちらも強くならない、相手も強くならないみたいな状態が長く続いてしまった。これも私の遊び方の問題だが、飽きが早く来た理由だろう。



 もう一つ、モチベーションが上がらなかった理由を挙げるとすると、キャラクターの属性の組み合わせによってパーティのステータスにボーナスが付く「元素共鳴」というゲームシステムが挙げられる。このシステムがあるために、新キャラがガチャで追加されるとなっても、属性が合っていないとボーナスがもらえなり、引いても意味が薄いということになってしまう。ガチャを引くモチベーションがなく、ゲームを進めるモチベーションもないとなると、本当にこのゲームをやる理由がなくなってしまう。



 前にアナザーエデンの時にも書いたが、ソシャゲとコンシューマゲームのいいところを合わせようとして、私にとって合わないところが重なったような印象だ。ソシャゲっぽいのにながらプレイができないとか、コンシューマゲームなのにガチャで強いキャラを引かないといけないとか、そういうデメリットが目に付いてしまった。
 決してつまらないゲームというわけではないが、さりとてずっと続けたいというほど面白い思い出のあるゲームというわけでもない。めちゃくちゃ悪かったというわけでも、ものすごく良かったというわけでもない。
 もちろんこれがFF14のようなMMORPGであれば、(実際そうだったように)友達が「一緒にやりませんか」と誘ってくれれば、それがモチベーションになるが、原神のマルチプレイにそのような要素はなく、飽きてしまったらもうそれを押しとどめるモチベーションというのがなかった。
 とはいえ、これだけのプレイヤーに支持を受けているゲームなのだから、私の感覚があまり一般的ではない部分もあると思う。ただ、このゲームはコミュニティを広げてくれるゲームではないので、私にとってはFF14ドラクエ10を超える位置づけにはならず、続けられなかった。

 ちなみに現役で原神をやっている人なら「鍾離のピックアップなんてしばらく来てないぞ」というかもしれない。実はこれは夏の話だ。始めたのが去年の春で、夏頃にはもうやめていた。ただ記事に書く機会を逸して今になってしまったのである。