答え合わせは果たして

 先日、秋葉原イエローサブマリンに行ったところ、面白いものを見つけた。社会思想社版のファイティングファンタジーである。
 ある程度ゲームブックの中古市場に詳しい方ならご存じかもしれないが、恐らく日本でも有数の中古ゲームブックが集まるであろう、秋葉原イエローサブマリンにおいても、近年、社会思想社版のゲームブックが売りに出されることは相当少なくなっている。これはもちろん、出版から時が経ち、一般ユーザーの手元から中古市場などにも出回ったのち、既に所有しているのはコレクター的な人たちがほとんどだからではないか、とも思われる。
 ちなみに、私がもう1箇所有数の中古無電源ゲーム市場と思っている中野ブロードウェイまんだらけ甲状腺でも、社会思想社版のゲームブックが売りに出されているのを見かけることはあまりない。

 ところで、売りに出されていたタイトルは、「トカゲ王の洞窟」と「サソリ沼の迷路」である。
 トカゲ王の洞窟については、ファイティングファンタジーコレクション、イアン・リビングストン編で復刻されることが決まっている。内容は全く同じだろうから、売りに出されたのは、復刻が決まったからではないかと推測することもできる。


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 すると謎なのは、もう一冊のサソリ沼の迷路である。ファイティングファンタジーコレクションのもう一方、スティーブ・ジャクソン編の収録作品は本日現在まだ公表されていない。サソリ沼の迷路はスティーブ・ジャクソンの作品である。この2冊を売りに出したのが仮に同じ人物だとした場合、復刻が決まったトカゲ王の洞窟を売りに出し、もう1冊関係のないサソリ沼の迷宮を売り出すだろうか。まさかとは思うが……。


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 もちろん、これこそまさに下衆の勘繰りというものだ。そもそも2冊の本を同じ人物が売ったとは限らないし、サソリ沼の迷路が収録作品に含まれるとも限らない。ただ、繰り返すが、10年前ならいざ知らず、今や社会思想社版のファイティングファンタジーは市場に出るのが珍しい。秋葉原に通い詰めても1冊も見かけない日が何年も続いていた。全くの別人が同時に1冊ずつ売りに出し、それが誰にも買われていない、という状況だったとしたら、それはそれで珍しい状況だ。
 いずれにしても、スティーブ・ジャクソン編の収録作品はいずれ明らかになる。もしそこにサソリ沼の迷路が含まれていたとしたら……。

 ちなみに一応断っておくと、両作品とも定価よりは高値だが売値は数千円程度。仮に私の推測が正しかったとしても、ファミコンレトロゲーのように倫理的な問題をどうこう言うような市場ではない。ただ、出品者がどんな人物なのか、純粋に興味があるだけである。もちろん、ホームページで収録作品未公開となっているだけで、制作関係者の誰かがどこかで収録作品について言及し、それを聞いたコレクターが売ったに過ぎず、私の耳が遅いだけ、という可能性もなくはないので、念のため。