宝の地図が、歩くぼくらを熱くする(CMより)


 ドラクエウォークの最初のPVもこれに似たようなCMで、ゲームをやる前に見たときは思わず笑ってしまい「こんなんじゃないやろ」と思っていたものの、実際にDQWにハマってみると「確かにこんなゲームだったわ、何が言いたいかよくわかるわ」ってなるのがすごいと思う。
 だって、本当に駅の構内をキラーマシーンがうろついていたり、空を見上げればギガントドラゴンがいたり、近所の裏路地にメタルキングが湧いていたりするわけだから、実際こうだよな、っていう。
 今回のCMも、コメントで泣けたと言っている人にちょっと共感した。「当時ドラクエ9の評判は悪かった」なんていうのもちょっと話題になっていたが、あれはメインストーリーは薄かったものの、後の10に繋がるオンライン要素の先駆けだったんだと思う。だからゲーム内のコンテンツの面白さというのはあのゲームの魅力の半分に過ぎず、残りの半分はすれ違い通信で宝の地図をやり取りしたり、相手のプレイヤーがリッカの宿屋に訪ねて来たり、追加シナリオがオンラインでダウンロードできたりといった要素にあった。
 そういう意味では、今回のドラクエウォークのコラボイベントがそういったところに重きを置いて設計されているのも、当時の感覚を再現したからなのだと思う。このCMが、何より端的に表している。一人じゃなく、みんなで遊んでいたのが楽しかった、という。

川崎ロッカーの再来か……?

 実際、ドラクエウォークの擬似的なすれ違い通信、つまりインターネットを介してQRコードなどでの直接のやり取りはできず、あくまでもゲーム内でしかやり取りができない地図が、どのように広まっていくかというのは正直始まってみないとよくわからないと思っていた。



 しかし、4周年記念イベントが始まったのはまだ昨日の話なのに、近所で探索するとすでにランクSの宝の地図が出回っている。それもランクSを引いた人がいっぱいいるというわけではなく、私の見る限りたった2人のプレイヤーが生成した宝の地図が、何人ものプレイヤーに出回っており、異なるプレイヤーから出所が同じ地図が提供されるという、それこそまさに川崎ロッカーの地図と同じような状況が発生しつつある。長距離を移動するプレイヤーが運んでいるのか、それとも距離に縛られないという魔剣士の助っ人能力を活用しているのか、どのような過程を経ているのかはわからないが……。
 これは何日か経ったら、すぐに交換枠はランクSやSプラスのめちゃくちゃ有用な地図だけに絞られてくるんではないだろうか。だって、自分で見つけ出した宝の地図はランクBだけど、これを交換に出そうとは思わないからなぁ。人からもらったものがランクSなんだから……。

 この宝の地図のコンテンツは、あくまでも新しく実装された数匹のモンスターの心と、復刻モンスターの心が入手できるだけのコンテンツかと思っていたらそうではなく、それこそ9の宝の地図のように、出現するモンスターと属性の組み合わせで、レベル上げがしやすいものがあるという噂も聞く。単純にモンスターの心を狙うだけではない使用用途がありそうだ。
 とはいえ、あくまでもこれまでよりも少しだけ効率が良いだけで、既存のコンテンツを破壊してしまうほどの劇的な効果はなく、さりとてすぐに過疎コンテンツになるほど中身スカスカでもない、なかなかいいバランスに今のところ納まっているようだ。もっとも、まだ始まったばかりだが……。
 あとは、何気に今日一日ですれ違った冒険者277人というのにも驚きである。こんなもん、リアルドラクエウォーキング会場やったら誰だって集計してみるだろ絶対(笑)。