MP消費軽減武器あれこれ(DQW)

 先日、正月早々の日記で記事を書いた「MP消費軽減効果を持つ武器」が今回たまたま揃ったので、それぞれの使用感などを書いてみたい。なお念のためにお断りするが、以下の記事の内容は、あくまでも私の環境でのレベリングをメインにした周回狩りにおける、主観的な感想である。実際にガチャを引くのであれば、ネット記事にしろ動画にしろ、試行回数の多いプロが公開しているデータを参考にすることを強くお勧めする。ここでは、そういった場所ではあまり触れられない、MP消費軽減という視点を中心にした印象を書いていく。


1 カルベロビュート


 初めて実装された「止めを刺した敵の数×10MPを回復する効果(以下MP消費軽減効果)」を持つ武器だ。お膳立てが必要なものの、条件が揃えば周回では無類の安定性を誇る。
 MP消費軽減効果以外の長所としては消滅効果を持つことが挙げられる。これは攻撃によって敵のHPが一定以下になると対象の敵が消滅する効果である。消滅といっても過去作のニフラムと違い、経験値や戦利品等の報酬は全て普通に勝った場合と同じなので、発動するだけ得な効果だ。例えばHP3000の敵に15%消滅効果を持つ武器で2700ダメージを与えると、その時点で敵のHPが300(15%以下)となるため、敵が消滅する。つまり3000ダメージを与えて倒したのと同じ効果がある。ただし、これがとどめの一撃とならなかった場合は、ダメージはあくまで2700ダメージに留まる。
 MP消費軽減効果、そして消滅効果が上手く噛み合い、レベリング用の周回狩りには非常に有用な武器だ。実装が一番古いため、単純なダメージは一番低いが、消滅効果を合わせた火力では引けを取らない。
 また、種別が魔法攻撃であるため、敵にガードされないという特徴がある。会心の一撃が出ない代わりにガードされることもなく、自分のステータス、敵の耐性、マップの適性以外の影響を一切受けず、安定したダメージを与えられる。魔法なのでマホカンタされると跳ね返るが、敵の手順が来ないと発動しないため、絶対に敵より先制できる素早さを保っていれば考慮する必要がない。
 加えて、武器種別の面から大魔導士、魔剣士に適性があるが、これらはMPに恵まれた職業であり、MP回復効果も相まって、これまた高い安定性を誇る。
 短所は、余りにも周回に特化した性能であることだ。単体スキルもあるものの、圧倒的な狩り性能の前には見劣りすると言わざるを得ない。そして、メタル系スライムを処理する能力も一切持たない。
 また、デイン耐性の高い敵が多いマップは苦手である。本来であれば、ここが武器の価値を下げる点であり、現に実装当初は評価は高いが必須と言われるほどではなかった。私がジェムを使ってまで取ったのは、極端に燃費を重要視する性格だからである。



 ところがこのマップ適性への評価が、宝の地図というコンテンツで覆った。デイン系に向いたマップを選別することが可能になったからだ。マップに合わせて武器を選ぶのではなく、カルベロビュートに合わせて地図を選択するという逆転現象が起き、価値がさらに飛躍的に高まった。


2 ゴールデンクレイモア


 カルベロビュートの評価が高かったためか、比較的短期間で登場した物理攻撃版のカルベロビュート的な武器。
 長所としてはMP消費軽減のほかに、カルベロビュートが持たないメタル系スライムを処理する能力、それに加えてメタルキングの剣だけが持っていた、メタル系スライムへの先制効果に類似した能力を持つ。必須武器と言われてきたメタルキングの剣の代替となり得る武器でありながら、カルベロビュートにも近いという多彩さが最大の長所だ。
 短所はカルベロビュートに通じるものと、正反対のものと両方がある。
 まず、ジバリア耐性を持つ敵の出現頻度が高いマップは苦手である。またカルベロビュートとは逆に、職業適性としてはMPに恵まれている職業向きとは言えないため、*1MP管理の安定性はカルベロビュートに劣る。
 物理攻撃であるため敵にガードされる可能性があり、消滅効果もないため、額面の攻撃力を超える敵を倒せたりもしない。



 とはいえ、物理攻撃特化のステータスは魔法攻撃特化に比べて先手を取りやすい。メタルキングの剣をパーティーの装備から外せるため、自動発動スキル目当てでルビスの槍や闇竜の牙、妖精の円月輪など、他の装備を入れる余地もできる。こと狩り武器としてみた場合、安定性の面ではカルベロビュートとの違いは少ない。


3 破壊の鉄球


 こちらは短期間どころか、間に別の武器を一つ挟んだだけで登場した、次なるMP消費軽減効果を持つ武器だが、使用感は上2つの武器とはかなり異なる。
 最大の長所はマップを選ばないという点である。カルベロビュートがデイン向きマップ、ゴールデンクレイモアジバリア向きマップに特化した性能なのに比べると、破壊の鉄球は無属性、バギ、イオと一つの武器で3つの属性に対応できる。特に無属性に対応している点は大きく、上2つの武器が苦手とするマップでも活躍できるのはもちろんのこと、バギやイオが向かないマップでも、属性の発動スキルをオフにしてしまえば、無属性の武器として扱える。また、バギとイオの2属性のうち、どちらかが威力の高い方が自動発動するという特徴があるため、この2属性に対して同時に耐性を持つというレアな敵以外は、ほぼ対応が可能である。
 加えて、メタル系スライムに先制する能力は持たないが、攻撃そのものは有効で、しかもその威力はゴールデンクレイモアを上回る。また、得意武器という概念がなく、すべての職業で得意武器のようなボーナスを得ることができる。
 では破壊の鉄球の短所は何かというと、実は長所と裏腹の関係にある。MP消費軽減効果を持つ全体攻撃、メインスキル「破壊の撃砕」と、軽減効果を持たないサブスキル「破壊の衝動」が、両方無属性orバギ+イオという属性を持っているため、ウォークモードで意図しないスキルが誤発動してしまうのだ。これは昨年の正月武器であるウロボロスの杖でも発生した事象であり、無属性武器の宿命的な特徴なのかもしれない。



 カルベロビュートやゴールデンクレイモアはもちろん、その他の属性武器も、メインスキルとサブスキル(どちらかが単体、もう片方が全体スキルなことが一般的)の属性は食い違っていることが多い。このため、装備するモンスターの心などでどちらかの属性に特化させれば、違うスキルが意図せず発動するリスクを減らせる。
 しかし破壊の鉄球については、その特性上メインスキルとサブスキルの属性は必ず同じものとなる。さらに破壊の鉄球はメインスキルもサブスキルも全体攻撃*2でもあるため、サブスキルの威力がメインスキルを上回り、AIがそちらを選んでしまうことがしばしば起こる。敵が1体、2体はもちろん、3体でも4体でも発動を確認した。
 サブスキルを誤発動するとMP消費は軽減されない。しかも発生頻度がそれなりに高く、MP消費軽減のある武器なのに、数十分の定点狩りでMPが尽きることもままある(さすがにMP消費軽減効果を持たない武器に比べれば遥かに保つが)。
 動画配信者の人たちは「この武器の汎用性は高い」と評価しており、それは確かに正しい。



 しかし、カルベロビュートやゴールデンクレイモアに比べると継戦能力という点での安定性には欠けるというのが私の印象である。

 それでも破壊の鉄球のメリットが生きる場面は多い。それはすべての職業で扱える武器だからだ。カルベロビュートは上級職2種と特級職2種、ゴールデンクレイモアは特級職3種でしか得意武器として扱えない。これらの職を含まないパーティ編成でレベリングをする時は、安定性を捨ててでも、破壊の鉄球を選ぶメリットが優ると考えている。

*1:適性は魔剣士と守り人とドラゴン。魔剣士はゴールデンクレイモア向きのステータスにするとMPが下がる。

*2:全体攻撃の後ランダムな目標に複数回追撃をするため、疑似的な単体攻撃に位置付けられているが、全体への攻撃には違いない。