ケルピーは動物ではなく魔物

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 この場面って「人間と動物の距離の測り方は難しい」というテーマの場面なのかな。私は全くそうは感じなかった。
 コメントで指摘してる人は1人ぐらいしか見当たらないけれど、私はこれはむしろ「ケルピーはれっきとした魔物であって動物ですらなく、魔物としての本能を持っているので、最終的には人間を襲うものなのだ」というのがこの場面のテーマなんだと思っていた。だってこれは、動物で同じシチュエーションだったら襲って来ない場面だろう。これは「魔物の異質性」というものを作者が表現したい場面なんだと、私は思っていた。さらに、前にも書いたことがあるが、この作品の世界観は一般的なファンタジーとすら異なる。あくまでも作者独自のものだ。
 つまりそもそもケルピーは、我々が知る現実世界の伝承においても「動物」とは異なり人を襲う「魔物」で、さらにこの作品におけるケルピーにはオリジナルの設定が混ざっているのだ。二重の意味で、ケルピーのエピソードを一般化して現実世界の野生動物への教訓として捉えるのは、ちょっと難しいんじゃないかと私は思う。