では、リロードもリコイルもない世界で天使に効く銃器とはなんだろう。ここで天使との初戦を見てみると、音無のグロックによる一発目を被弾していながら（？）二発目以降が効いている様子がない。これはエンジェルプレイヤーのガードスキル（ディストーションなんとか？）だろう。恐らく一発目は意外な攻撃でスキルの発動が間に合わなかったので被弾したと思われる。その意味では、スナイパーライフルを使い相手がガードスキルを発動する前に不意を打ってしまおうという判断は正しい。
だが、実際にグロックで撃ったあとメンバーたちが手当たり次第銃弾を撃ち込みまくっていることを考えると「弾丸を撃ち続けることでバリアを無効化できるのでは」とメンバーが思っている可能性もある。はたして天使のバリアはバリア表面に加えられた運動エネルギーの総計で無効化されるのか、それとも純粋にバリア表面に接触する銃弾の回数で無効化されるのか、はたまた時間経過と共に消滅するのか、エンジェルプレイヤーそのものを破壊しないと破壊できないのか。最初の接敵段階で判断するのは難しい。
まず、ライトマシンガンのフルオートによる一斉射撃を受けても傷一つ受けていないことを考えると「銃弾の威力／運動エネルギーは天使のガードスキルにまったく関係ないのではないか？」という推測は可能だ（至近距離ならライトマシンガンの銃撃で厚さ１０ｃｍの鋼板に穴が開く。人間ならミンチ以前に一発で半身が吹っ飛ぶだろう）。
ならば本来は、相手が多数出てくる可能性を考えてサブマシンガンかＰＤＷ（サブマシンガンとアサルトライフルの中間の銃器。双方の利点を併せ持つ）か何かを持った方がいい。とはいえ、学園という比較的射程の短い閉鎖空間での戦闘が当然想定されているはずなのに、あれだけの種類の銃器が登場していながらＰＤＷが一丁もないのは、武器製作者が比較的新しい銃器の概念であるＰＤＷのことをまったく知らなかったせいとも考えられる（現実世界であれば特殊な弾丸を使うＰＤＷは補給に難があるので避けたという解釈もできるが、弾切れしない世界で補給の心配をする意味がない）。
