まるごとくいっくすたーと!(2)

 くいすたのメンバーをアルシャードにコンバートするのではなく、くいすたメンバーがミッドガルドに召喚されたという設定のリプレイ。サチとサクラコはNPCで、先輩は登場しない。

 少々ネタバレになるが、今回のリプレイに使われたシナリオにもなかなか面白いギミックが組み込まれていた(ネタバレ回避のために間隔を空けておきます)。




















 「GMのサチがアルシャードFFのセッションを始めようとした瞬間全員異世界に飛ばされた」という設定で、基本的にはサチの書いたシナリオを「モモたちの身の上に起きた現実」としてプレイするというメタ構造のシナリオなのだが、プレイヤーにはシナリオ開始時にサチがモモたちに手渡したシナリオ本来のハンドアウトの他に、サチが書いたと思われる「当初のシナリオ」の断片が手渡されている。そのため、サチが当初書いたシナリオの通りに進んでいる部分については「カンニング」ができるのだ。
 実際、ダンジョンマップは事前に判明しているし、リドル(謎解き)の答えもあらかじめわかっている(ただし、一応事前に渡されたシナリオを「見る」かどうかの判断はプレイヤーに委ねられている)。
 これにどんな意味があるかというと、「元々サチの想定していたシナリオ」がどの部分で「サチの想定外の事態」がどの部分なのか、実際のシナリオの進行と渡されたTIPSを見比べるとわかるようになっているのだ。
 また、渡されたTIPSを見るか見ないかによってプレイヤー自身がシナリオの難易度を選べるというのも、珍しい特徴だと言えるだろう。


 …しかし、いくらダイス運が悪いからといって《ヘイムダル》(*1)を無限回撃つために奈落落ちするというのはどうなんだ、サチよw ゲーマーとしては気持ちはわからなくもないが……。


 なお、サチのダイス運のモデルになっていると思われる作者の安達さんは、このリプレイでは後輩のあずにゃ……じゃない、メイコを演じている。今回は特にダイス運が悪いようには見えないが……またリターナー(*2)かよ! ホントにリターナー好きなんだな(安達さんは前のアルシャードガイアのリプレイ「神の贈り物」でもリターナーの女の子「トキノ・ケイ」を演じていた)。


アルシャードガイア リプレイ 神の贈り物 (ファミ通文庫)

アルシャードガイア リプレイ 神の贈り物 (ファミ通文庫)


 そういえば、今回のフミ、あのリプレイに出てきたターマイト(*3)に似てるな。


 あと社長、ワード(*4)3レベルはやりすぎだろういろんな意味でw もちろんモモの金剛機(*5)は論外だ。「だって奴ら5D6で判定するんだぜ!」じゃねーよ、マジで意味わかんないからそれ!w
 いやー、今回も田中天さん(asモモ)はホント酷かったなあ(褒め言葉)。社長と高見先生もシンクロしてるけど、天さんとモモのシンクロっぷりも凄い(カオス的な意味で)。


 これでちゃんと話としてまとまってるんだから驚きだわ。


(*1)アルシャードガイアシステムのブレイクスルー、《加護》の一つで、ダイスを振ることなく判定の結果をクリティカルにできる。


(*2)現代に時間移動してやってきた未来人であることを表すキャラクタークラス。


(*3)アルシャードFFの昆虫人。基本的には奈落の使徒、つまり敵。


(*4)神の化身であることを表すキャラクタークラス。


(*5)天羅WARのキャラクタークラス。全身鋼鉄でできた殺戮機械。人間の魂を封じ込めた名鏡と呼ばれるコンピュータに制御され、生身のパーツは存在しない。