彼らのヴァナ・ディール

ファイナルファンタジーXI -ヴァナ・ディールの住人たち- (ファミ通クリアコミックス)


 ちょっと前に、こたろさんのFF11アンソロジー「フェイタル・コネクション」を紹介したが、ある意味でその対極にあるアンソロジーがこれ。
 どこが対極かというと、こたろさんの本はキャラクターを一個の人物として描いており、高弘さんの本はキャラクターをあくまでもプレイヤーが操作しているもの=中の人がいるという前提で描いているところである。他にはおおつきべるのさんやうずさんなどは前者、島津美保さんなどが後者にあたるだろう。


 どっちがいいとか悪いという話ではなく、それぞれに特徴があって面白い。それに、こたろさんも高弘さんも画力は高く安定しているので安心して読める。こたろさんがエル度高めなのに対して、高弘さんは圧倒的にガルカ率が高い。たまたま二人ともカンパニエのエピソードを描いているが、それを読むと顕著にわかる(笑)。
 それぞれ、自キャラもエルヴァーンとガルカだったはずだけど、決して自キャラの話ばかりを描いているわけではない。なのにこうなるということは、やはり自キャラ選びにもアンソロジーのエピソードにも、意識か無意識かはともかくとして、好みが如実に現れるということなのだろう。
 個人的脳内設定では、冒頭の引退しちゃったツインテモンクタルが侍で復帰してボヤーダで「押忍! アビ全開でたたみましょう!!」とやってることになっている(笑)。