これはある意味ですごい

ご注文はうさぎですか?アンソロジーコミック (2) (まんがタイムKRコミックス)

ご注文はうさぎですか?アンソロジーコミック (2) (まんがタイムKRコミックス)


 書店でアンソロの2巻を見かけ「え? 1巻出てたっけ?」と思って慌てて探し回って2冊とも買ってしまった。


 これは、ある意味すごい(笑)。何がすごいって、描いてる人によっては、ごちうさなのに「ちゃんとオチてる」んだよね。
 アニメ化前に書いたとおりごちうさってオチてるんだかオチてないんだかわからないふわっとした4コマが多いんだけど、そのキャラを使って他の作者さんが描くと話を落とすことも可能なんだということがわかる。じゃあ何が違うかっていうと、やっぱり「毒」とか「棘」なんだろう。ここでも言われてたけど、「悪意」とかキャラクターの「攻撃性」(他の登場人物を笑うとか)とか「暗い部分」みたいなものを徹底的に漂白していった結果があの原作なのだと思う。
 これは、悪い意味で言っているわけではない。実際、アンソロ見ると「頭部強打で性格豹変した振りをして周りを騙すココア」とか「リゼとシャロの会話を盗み聞きする千夜」とか、やっぱり「闇」みたいなものがないと成立しない流れというのもある。*1その辺のキャラを原作と「同じ」に感じるかというと、やっぱり何かが違う。*2
 そういう「闇」を排除していくと、たぶん「明確なオチが作れないプロット」というのが出てきて、それが「ふわっとした話が多い」という印象に繋がってるんじゃないかな、というのが私の意見。
 後はきんモザアンソロジーの菅野さんと一緒で、普段4コマの作品が普通に短編になっているとそれだけでも新鮮だ。


 実は、アニメ化前には「きんモザもふわっとしてる」と書いたものの、ごちうさに比べればきんモザの方がちゃんとオチてる──つまり「毒」があるということに、アニメ放映後に気がついた(笑)。

*1:最新刊ではココアが姉に嫉妬するような話もあるんだけど、とにかく「話の流れが深刻にならないように」描かれている。これってどう考えても意図的だよね。

*2:そこがアンソロジーの面白さ。