1ゲームはいくら?


(過去の記事にちょっと追記しました)


 さて、しばらく間が空いてしまったけれど、昨日のエントリからの流れで、以前書いた「もう一人のピコピコ少年」エントリの続きである。


 私は小学校の頃から学習塾に通い、私立中学への進学を目指していたことがある。といっても、たかだか10歳の子供が将来への展望を脳裏に描いているはずもない。ただ、小学生向けの学習塾というのは恐ろしいもので、大した目的意識も抱いていない子供相手に「年中無休、平日4時間、休日10時間連続学習」で受験勉強を叩き込むという恐ろしいカリキュラムだった(余談だが、私の今までの生涯で一番『勉強』したのは恐らくこの時期だった)。


 閑話休題
 そんな詰めこみ学習の真っ最中にも、私はゲームできる場を求めてさまよい歩いていた。ストレス解消? いや、塾に通う前から私はゲーム好きだった。ただゲームに触れるチャンスが増えたのだ。
 どういうことかというと、塾に通い始めたことで、私が自由に使えるお金がいきなり倍増したのである。それは例えば「昼食代」だとか「夕食代」だったりするのだが、もちろんゲームバカに金など渡せば食事を切り詰めてゲーム代に回すに決まっている(笑)。


 もし、今私が同じ状況に置かれたなら……たぶんちょっと我慢してお金をためたところで中古屋か何かを巡って安いゲームを探し、マックかどこかの片隅でひたすらレトロゲームに興じる……つまり昨日ご紹介したレトロゲーム部と同じようなことをやっていそうだけれど、当時の私にそれは不可能だった。なぜなら今のような携帯ゲーム機など存在しなかったからだ(ゲームボーイが発売されるのは私が中学校3年生の時のこと)。受験勉強真っ最中の人間が、リビングのテレビを占拠してゲームに興じれるはずがない。そんなわけで、私が当時ゲームをしたのは「自宅以外の場所」、つまりゲームセンター、あるいはゲームコーナーだった。


 当時まだゲームセンターは不良の溜まり場とか言われ、暗いイメージがあったが(アミューズメントセンターなどと言われるようになるのはもっとずっと後)、ゲームをしたいという欲求には勝てなかった。幸い怖いお兄さんに絡まれるようなこともなく、私は暇を見つけては、学習塾の周辺にあった店頭のゲームコーナーからゲームセンターまで渡り歩き、アーケードゲームに興じていたというわけ。
 ……まぁ、こんなことしてて合格できたら受験の神様の罰が当たる(笑)。