剣と魔法のグルメ

剣と魔法のファンタジー世界に出てくる食事って美味いの?


 TRPGで「この時代の食事はこんな感じ」とはっきりルールブックに描かれていたタイトルというと、ブレイド・オブ・アルカナサプリメント、ロード・オブ・グローリーの「旅の心得」が記憶に残っている。「たいていは豆と肉とパン、まれに魚の繰り返しだ。タマゴと牛乳は贅沢品である」とあり、その後にも記述が続く。*1元々ブレカナは中世ヨーロッパがモデルとはっきり分かっているゲームなので、食事に関しても中世ヨーロッパのそれと大差ない。
 恐らく旧版のソードワールドも、小説などの描写を見る限り状況はさほど変わらないと思われる。ただ、アレクラスト大陸には「自由人の街道」という東西の交易路が完備されていたため、コロンブスがいなくとも食卓はもう少し豊かだったかもしれない。とはいえ、ワールドガイドにも完全版にもQ&Aにも食生活に触れている箇所が一行もないので、*2推測しかできないのだが。
 D&Dの場合、エベロンとグレイホークやガゼッタでは事情がかなり違う。今手元にないので確認できないのだが、ガゼッタは中世ヨーロッパをモチーフにしたかなり詳細な記述があったと記憶している。


 逆にソードワールド2.0やアリアンロッドの場合、マギテックの技術が発達していたり、鉄道が存在していたりするので、むしろ食卓は中世のそれよりも近代、あるいは現代の我々の食卓に近いのではないだろうか。2.0ではアイスクリームが登場したという話も聞いたことがある。*3アリアンロッドも東方に行けば食を専門とするクラスがあるほどだから、中華系の食文化は発展していそうだ。積層都市や流通を支配する企業まで存在するアルシャードのミッドガルドは言わずもがなだろう。


 他に面白い扱いをするタイトルとしては、カオスフレアが挙げられる。カオスフレアは個々の食品がアイテムリストに掲載されており、これを食べることで食品ごとに異なるゲーム上の効果を得ることができる。これはコンピュータRPGでは珍しくないが、TRPGでこういった処理をするのは珍しい。とはいえアイテムリストにあるのは各地の名物料理のようなメニューばかりだし、ルール上有利だからといってオリジンの人間が勝ち栗ばかり食べているとも思えないが……(笑)。



 ちなみにファンタジーではないが、サイバーパンクであるNOVAの世界だと食事は合成食品を主とするクソマズい代物。過去も未来もダメとなると、やはり食事が一番美味しいのは現代地球を舞台にするTRPGで間違いなさそうだ。

*1:詳しくは省くが、自分は現代に生まれてよかったと思うような内容。

*2:ワールドガイドに「人々の暮らし」という章はあるのだが、実際アレクラストの住人が日々をどのように送っているかの具体的な記述はほぼゼロ。

*3:それほど詳しく追っていないので、どの小説、あるいはリプレイの記述かまでは分からない。なお、アイスクリームに近いものはアレキサンダー大王も食したらしいので、アイスクリームがあったら即近世以降というわけでもないが。