私とFF14


 少し前のことになるが、FF14の無料プレイ期間が終了した。私のエオルゼア生活はとりあえずここで終わりということになりそうだ。

根性版の話

 前のエントリでも書いたとおり、私はFF14を根性版のクローズドβテストの時代からプレイしていた。必要スペックの公開されていなかったβテストに備え、グラフィックボードを新たに購入して準備を整えたが、結果的にはそのグラフィックボードがネックとなったと思われる(思われる、というのは原因が明かされなかったからだ)。
 βテスト開始直後から私を悩ませたのは、グリダニアのギルドハウス前とリムサ・ロミンサの噴水前という重要ポイントの前を通過しようとすると画面がグチャグチャに崩れるという謎の不具合だった。ハードウェアの組み合わせを伝えた上でフィードバックもしたが音沙汰はなく(そもそもβテストのフィードバックは個別に回答を行うものではないが)、もちろん製品版でも全く改善はしなかった。避けて歩けるような場所であれば避けて歩くが、場所が場所だけにそれは不可能に近く改善方法も判らなかったため、発売直後を除いて私はエオルゼアに行くことはなかった。

新生の話

 そして、新生版である。一度失敗したオンラインゲームを再生させるという前代未聞の挑戦に敬意を表し製品版を買うことにしたものの、私は根性版の経験から二つのことを心に決めていた。一つは「新生版の発売に際してハードウェアは一切買い換えない」ということ。10万近い投資を2回もするのは金銭的にも辛い。幸い新生版はPS3に対応するという話だったので、それでプレイすればいいだろうという気持ちもあった。
 もう一つは「アーリーアクセスを含むβテストには一切参加しない」こと。上記の件も含め、私の行ったフィードバックはもちろん、他のβテスターによる対応して当然の不具合に対するフィードバックすら無視された状況を考えると、二回目のβテストにはどのような形であれ協力する気は微塵も起きなかった。

 そして皮肉なことに、今回のエオルゼア生活もハードウェアが原因でトドメを刺されることになってしまった。

 スタート当初の混雑を避け、サービス開始からしばらく経ってからキャラを作成。ログインしてみたものの、その直後から画面内を謎の閃光が稲光のように走る現象に襲われる。色からするとクエストをガイドしてくれるあのNPCの頭上にある「!」マークのテクスチャが漏れているのではないかという気もするが定かではない。頻繁かつ不定期に画面をピカピカ光らせるので非常に目に負担になる。私がFF14を離れた理由は、直接的にはこのトラブルが原因ということになる。それでも、ハードウェアを買い替えてでもエオルゼアに留まろうと思わせてくれる何かがあれば続けたかもしれないが……。

入り口の入り口で

 私は、新生FF14で3人のキャラを作成した。パンデモニウムのウルダハに一人、グリダニアに一人。ガルーダのウルダハに一人。最初のサーバ選択に特に理由はない。新キャラが作れるのがそこだけだったからだ。レベル10まで遊び、もしかしてグリダニアなら少し状況が違うのかと思ってグリダニアでやはりレベル10まで。その後、FF11時代の友人が誘ってくれたのでガルーダサーバに移り、ウルダハでレベル10まで。

 私は、誘ってくれた友人以外、誰とも会話を交わした記憶がない。

 道行く人々はクエストの途中なのか、足早に先を急ぐ。目的地も必要アイテムもすべて表示してくれる親切なシステムは、誰かに何かを聞く必要もなく、協力を求める必要もない。行き交うシャウトはIDかFCのメンバー募集だろうか? FATEにも何度も参加してみたが、会話している人は皆無といっていい。
 それにもまして驚いたのは、私をLSに誘ってくれた友人が、FF11では饒舌だったにもかかわらずFF14ではほとんど喋らないことだった。
 徐々にわかってきたことは、FF14の戦闘を含めたコンテンツは「やりながら会話」できる余裕のあるものではないということだ。自分で戦闘していても感じたが、常にボタンを押し続ける(オートアタックはあるが主たるダメージソースにならない)必要があるのでキーボードが打てない。また、私はそこまで到達できなかったがメインコンテンツでは「気を抜くと死ぬ」状況で、やはり会話する余裕はないらしい。
 そして、FF11最大の欠点(松井氏の「殻を破る」発言を考えれば「欠陥」と言っていいと思うが)である「誘われ待ちの時間」をなくしたコンテンツファインダー。これがまた会話を減らす原因の一つになっていると思う。「待ち時間がない」ということはすなわち「やる気さえあれば間断なくコンテンツに参加できる」ということに他ならないからだ。
 その友人が無料期間終了と同時に去って行った時、私をエオルゼアに引き止めるものは何もなかった。

 そしてもう一つ、最も大きな理由がある。
 ドラゴンクエスト10が思ったより面白かったことだ。私は二つのオンラインゲームを同時並行で進められるほど器用ではない。