サポート仲間についての覚書

 さて、この間ドラクエ10について長文を書いたが、基本的には既にプレイしている人にとっては「もう知ってるよそんなことは!」という内容だったと思う。私が始めたのはごく最近なので、これまでいろいろな人が蓄積してきたデータには及ぶべくもないが、主にサポート仲間の運用を中心に自分宛てのメモも兼ねて、私なりに気づいたことを列挙してみたい。
 なお、ボス戦の情報などネタバレを含むのでここで折り畳む。












 最初にネタバレから入ってしまうが、初期メインストーリーの最後「冥王ネルゲル」戦、各種族のメインクエストの中でも最難関と名高い「天魔クアバルナ」戦、いずれも自分レベル50、サポート仲間レベル50が3人の4人パーティで撃破可能である。
 編成は、自分が前衛なのか後衛なのかによっても異なる場合がある。私自身は「旅芸人レベル50」での挑戦でありすべての職業で試したわけではないが、サポート仲間のAIの行動パターンからいって、自分が後衛を務めたほうが恐らく難易度は低いと思われる。

サポート仲間は弱くない?

 自分が最初の職業で初めてレベル50になり、転職をほとんど経験していないと仮定すると、前衛であってもパッシブスキルをふんだんに習得し、与ダメージなどでサポート仲間を遥かに上回るというのは難しいはずだ(逆に言えば、今酒場に預けられているサポート仲間たちはそれなりに強力である)。つまり、特殊な行動に期待しない限り、ただ殴るだけならサポート仲間の実力は申し分ないと言える。
 その反対に、同じくAIの行動パターンからいって、サポート仲間に盾役を任せることはできない。このゲームにはヘイトコントロールという概念がなく、敵は基本的にランダムに攻撃目標を決めており、中に特定の行動(HPが半分になる瞬間の攻撃)などに反応し「怒り」状態となって特定のパーティメンバーに集中攻撃を仕掛けようとする場合がある。このため、盾役は自分の防御力を上げ、さらに後衛が狙われた時に敵の移動を壁となって阻むのがその役割となる(この時押し合いになるので相撲などと呼ばれることもある)が、CPUは基本的にこの「押し合い」をほとんどしない。たまに思いついたかのように敵を押すのだが、期待できる場面ではほぼ皆無だといっていいだろう。これは後で述べるサポート仲間のAIの特性によるものである。
 盾を任せられない以上、前衛はアタッカーとして配置するのが望ましいことを踏まえたうえで、ここであちこちの攻略サイトなどに掲載されている情報に補足しておきたい。情報サイトなどで「防御力が高い敵なので魔法使いを入れた方がよい」と書かれているボス戦のほとんどは、実は魔法使いでなく両手剣バトルマスターでも行ける(情報サイトが作られた当初はパッシブも少なく「一撃が強い」タイプのアタッカー職業もなかったための記述と思われる)。
 このため、私の定番の編成は「バトマス×2、僧侶+自分(旅芸人)」である。自分が前衛ならバトマスを一人抜けばいい。自分が後衛の場合でも(たとえ自分が僧侶であっても)僧侶は入れたほうがよい。

突発事態は苦手?

 盾の場合と違い、サポート仲間の僧侶は回復をしてくれないとか気紛れにしか回復しないということはない。場合によってはHPゲージが減る前にホイミが飛んでくることすらある。では何が問題かというと「回復・蘇生が最優先行動に設定されていない」のだ。特に敵が格上である場合に顕著なのだが、開幕はホイミやザオより仲間へのスクルトや聖女の守りや天使の守りといった強化スキルを優先して使おうとする。これは、敵のいてつく波動で強化が消された後も同じである。
 また、当然だが「敵の行動を予測して備える」ということはしないので、次の一撃で明らかに仲間が倒れるというシチュエーションでも見当違いのメンバーにホイミをして硬直していたりするし、自分が敵に狙われていても逃げ出さず、結果的にボコボコにされたりする。

 要するに、サポート仲間のAIは「敵の行動に対応して動く」ということをしないのだ。遭遇した相手のレベルに合わせて常にセオリー通りに動く。これは当たり前の話であって、AIが敵の行動に完全対応してくれるなら今度は人間がお払い箱になってしまう。

二人目の僧侶の理由

 話を戻そう。回復をサポート仲間の僧侶一人に頼ると、いざという時の回復が間に合わない可能性がある。さらに、敵の攻撃から逃げようとしないという特性から、僧侶が倒れた時に詰みになりかねない。なので、必ずしも僧侶二人ではないにせよ、操作キャラである自分自身も何らかの回復手段を持っておいた方がよい。ホイミやザオがない前衛職業であれば、アイテムで代用もできる。
 そして、当然だがサポート仲間が絶対にやってくれない行動が「アイテムの使用」である。状態異常の回復など、魔法があれば代用できる行動もあるが、ほぼ絶対に代用できないのが「MPの回復」だ。こればっかりはサポート仲間には頼れない(魔法戦士がいればMPパサーは使ってくれるが、それだけでボス戦を乗り切れるほど強力ではない)。そのため、人間の仲間と挑戦する場合でも同じだがなおさら、魔法の小瓶や魔法の聖水はふんだんに持っておいた方がよい。

 回復役を僧侶にほぼ限定したのは、これも職業の性能の問題というよりサポート仲間のAIの問題である。賢者や旅芸人、パラディンなども回復手段を持つが、戦闘時「いのちをだいじに」にしても、回復に専念するわけではなく、前衛に立ったり支援魔法を使ったり、攻撃魔法を唱えたりする。つまり、能力が多彩であるがゆえに回復以外の行動をとり始めるのである。このため、回復を任せたいのであれば僧侶の方が無難なのだ。

ストーリークエストのボス戦について

 さて、具体的な攻略なのだが、正直レベル50から全部のストーリークエストを始めるのではほとんどがオーバーキルになってしまう。レベルの上げすぎ、というやつだ。とはいえ攻略サイトの情報は古いものだったり人間が操作することを前提としているため、サポート仲間での攻略にそぐわない部分もある。とりあえず、レベル40あれば各種族の弱い方のストーリーボスとオーガの強い方のストーリーボスは攻略できる。逆にレベル30未満だと移動にドルボードが使えないため、ストーリークエストの攻略は30以上になってからの方がよい。このため、レベル30〜40が弱い方のストーリーボスの攻略タイミング、40〜50が強い方のボスの攻略タイミングと言える。


 個人的に苦戦したストーリーボスを挙げていこう。

ウェディストーリークエスト「詩歌の守り手」

 大ボスではなく中ボスなのだが、全滅こそしなかったものの魔法の小瓶を湯水のように使う羽目になった。
 とにかく防御力が高い。複数のメンバーが同時にピンチになるような大技は持っていないので一気に壊滅することはないが、レベルが低いとこちらの攻撃で削れるHPがわずかになり、長期戦を強いられる。時折放ってくる痛恨の一撃でメンバーが殺されるため、その回復に追われひたすら消耗戦になる。また、痛恨の一撃で僧侶が倒れる可能性を考えると、ザオが使える人間が二人いた方がよい。

ウェディストーリークエスト「暴帝パサグランデ」

 サポート仲間を武闘家からバトルマスターメインに切り替えるきっかけになったボス。レベル40後半でも苦戦した。高い防御力と範囲攻撃を兼ね備えた強敵である。凍てつく波動を使ってくるためサポ僧侶が回復そっちのけになる状況が多く、その瞬間に範囲攻撃を受けると詰みかねない。とはいえ、種族ストーリークエストのボスとしては3番目の強さである。

エルフストーリークエスト「アラクネ」

 レベル50でもそれなりに苦戦すると思われる。とにかく範囲攻撃が強力で、パーティメンバー全員が大ダメージを受けるため回復が間に合わない。範囲攻撃→僧侶1死亡→僧侶2死亡という状況もあり得る。ただし、防御力が特筆するほど高かったりボスにたどり着くまでが遠かったりするわけではなく、特にボスの目の前までドルボードで移動できる=雑魚敵を振り切って移動できるため、再戦が楽でしかもあっさり勝ててしまうこともある(範囲攻撃の使用がランダムなので)。回復が足りないと思ったら、敵を倒すまでに時間はかかるが前衛1であと3人がかりで回復するという手もある。

ドワーフストーリークエスト「天魔クァバルナ」

 最強の種族ストーリーボスであり、下手をしたら基本ディスクでのラスボス「冥王ネルゲル」以上に強い、破格の相手。
 まず、敵がパーツに分かれていて3体を同時に相手しなければならないのもさることながら、パーツを落とすと本体が強化されるのが厳しい。本体のみが残った場合、パーティメンバーが高確率で1確で落とされる。人間のパーティならあえてパーツを残して本体を削る作戦が取れるが、サポート仲間の場合最初に本体を狙うように工夫してもいつの間にかパーツに攻撃対象が移っているため、本体とガチでやる覚悟を決めたほうがよい。
 詩歌の守り手のアッパーバージョンであり、「敵の攻撃で誰か倒れる→ザオ→生き返ってまた倒される→ザオ」の合間にひたすら前衛が追いすがって敵を削るしかない。幸い、本体のみで強力な範囲攻撃はイオナズンなどの呪文であるパターンが多いので、詠唱を始めたらとりあえず自分だけでも範囲外に逃れよう。むしろ詠唱中他の行動をとってこないのでボーナスタイムかもしれない。僧侶が二人倒れたら詰みだと厳しいので、前衛を一人に絞った方がよいかもしれない。
 また、クァバルナがきついのは「行くまでが遠くて再戦が大変」というのも大きい。

メインストーリークエスト「守護者ラズバーン」

 正直、クァバルナよりもネルゲルよりもこいつの方が「面倒」である。それもいくつかの要素が複合している。


 まず、クエストの舞台となる場所が「過去」であり、酒場にいるサポート仲間はCPUのものが多い≒弱い。現在の酒場から連れていくには種族が「人間」でないといけないのでメンバーが絞られる。かといって、同目的のプレイヤーが簡単に見つかるかというと、それもまず期待できない。私は土日のゴールデンタイムに挑戦したが、ダンジョンでは最初から最後まで誰にも出会わなかった。
 次に、レイダメデス神殿の攻略には時間制限がある。この時間制限は普通に攻略していれば決して不可能な制限ではないが、ミスをした時リカバリーしづらいという意味では攻略の足枷になる。またこのダンジョンが遠く、ダンジョン内の移動が長いことも再挑戦のやる気を削ぐ。加えてダンジョン内のボスを倒さないと先への道が開通しないギミックがあり、これも面倒である。
 ボスそのものは激しい範囲攻撃などは持っていないが、防御力がそれなりにあるため、道中でリソースを使わされることもあって「リソースが切れてジリ貧」になる可能性がある。回復アイテムなどはふんだんに持って行った方がよい。とはいえ、時間制限があることもあり、前衛を一人に絞るのはリスクが高い。ザオ役は二人確保し、同時に死なないよう心がけよう。

メインストーリークエスト「冥王ネルゲル」

 クァバルナ、ラズバーンを経験した後でははっきり言ってそれほど苦戦はしないし面倒でもないだろう。何連戦かさせられるが、むしろ連戦させられるがゆえに途中のべリアル・アークデーモンをあえて1体だけ残して回復に専念、次に備えるなんて作戦も取れる。攻撃力も高いが単体で、一人が死ぬだけなのでリカバーは可能。範囲攻撃は呪文なので散開して回避、というのはクァバルナの攻略と同じである。