広告貰ってるんだろうなぁ

半ば強引なWindows 10へのアップグレードをどう見るか


 ここでコメントを発しているのは3人。流れとしては反対、反対、賛成で、マイクロソフトという大企業に対する意見の表明としては、これがギリギリのライン、それも賛成意見を最後に持ってくるのが譲歩できるギリギリだったんだろうな、という苦汁の決断が見える。
 反対意見についてはほぼ同意なんでここでは取り上げない。至極真っ当な常識的な意見だと思う。問題は最後の賛成意見。

 けれどもそれは、自分が使っているOSのバージョンさえよく分かっていないカジュアルなエンドユーザーにはあまり関係のない話だ。

 きっと今、悲鳴を上げているのは愛用しているWindows 7を、そのハードウェア環境のライフサイクルが終わるまで、静かに使い続けたいと思っている個人のパワーユーザーのうち、失礼ながらあまり向上心を持たない一部の人たちだろう。分かっているパワーユーザーなら、あれだけしつこくアラートが出ればとっくにブロックしているはずだからだ。 


 山田氏が「カジュアルなエンドユーザーに関係ない」とバッサリ切り捨てられる理由がよくわからない。私自身は「とっくにブロックしている」ユーザーだが、一番途方に暮れているのはPCの基礎知識のほとんどない実家の両親が使っているPCについてだ。操作方法についてもしょっちゅう電話がかかってくる。
 どうして「愛用しているWindows7をライフサイクルが終わるまで静かに使い続けたい」ユーザーがパワーユーザーだと決めつけるんだろう? 例えば新しいことを覚えるのが苦手な年配者など「OSのバージョンはよく分からないけど今のままがいい」と思っているユーザー、「バージョンアップや買い替えでUIが変わるたびに操作法も何もわからず戸惑わされるカジュアルユーザー」がなぜ「あまり関係ないエンドユーザー」に分類されるんだろうか。よくわからない人は黙って言うとおりにしているはずで、文句を言ったり嘆いたりしてるはずがない、ってこと?

管理者を持たないエンドユーザーにとって、管理者はOSベンダーであるMicrosoftだ。言うことを聞きたくないのなら、自分自身が管理者になって何とかするしかない。


 いや、エンドユーザーだろうが知識があろうがなかろうが管理者は常に自分自身でしょ? 何かあったときOSベンダーであるマイクロソフトが責任取ってくれるなら喜んで委ねるけど、カスタマーサポートには電話が繋がらない、周辺機器が使えなくなってもフォローしてもらえない、データが吹っ飛ぼうが自己責任と言われる状態で、マイクロソフトが管理者なんだからって主張されてもまったく納得いかない。


 私自身が凄く気になっている、そしてこれを何度も取り上げるのは、これがPC業界の傲慢さを象徴的に表している出来事のように思うからだ。iOSAndroidで新OSが使いやすいとか使いにくいとか、そういう話は耳にしたことはあるが、バージョンアップ告知のウザさがここまで大きな問題になったのは聞いたことがない。ここまで強引なやり方をするなら、そもそもXPから7に移行させる時に「7は延長サポート含めて2020年まで使えます」なんてアナウンスをしなければよかったのだ。セキュリティ上の理由? そんなものは単なる建前で、単にマイクロソフトがビジネス方針を転換しただけのことだろう。そしてそれは、この先もまた起こらないとは限らない。その時もまた今回みたいな強引なやり方をするつもりなんだろうか?
 こんなことをやってれば、そりゃユーザーがiOSAndroidに逃げるのも無理はない。