これFPS……?


 このソフトはFPSなんだろうか。それとも環境ソフトなんだろうか。謎すぎる……。

えぇ……

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 むしろまだ第1特異点が配信されてなかったことが驚きだよ……。

マルチプロセス

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 マルチストーリーじゃなく、マルチプロセスって言ってたのか……。この用語が他のゲームで使われたことがあったのかどうかは知らないけれど。

“もう一つの楽園”はこの世の地獄だったという話(辛口注意)

 さて、アナザーエデンの話である。かなり辛口なので、嫌な人は回れ右してほしい。












 先日ログインしたところ、石10000個が配布されていた。運営としてはこれで幕引きのつもりだろう。

 冗談ではない。ガチャを引くための石を幾ら配ったところで、運営は痛くも痒くもない。全員に配ったということは、相対的に見れば、誰にも何も配らなかったのと同じである。運営は今後、すべてのユーザーに対して1万個の石を配布した前提でバランスを取るだけのことだ。
 そもそも今回の一件で、プレイヤーは石を失ったのでも金を失ったのでもない。メーカーへの信頼をこそ失ったのだ。石を幾ら配ったところで、それを使う価値のあるコンテンツであることが証明できなければゴミも同然。十分な説明責任(主に再発防止と第三者による監視)を果たさなかった以上、プレイヤーは何の補償も補填も受けられていないのだ。

 はらわたが煮えくり返りそうなので、ここらで毒を吐いておこうと思う。無料で楽しませてもらっていたことや(ただし広告は死ぬほど見ているので「代価」は払っている)、ソシャゲとしては挑戦的な試みがあったからこれまでは言及してこなかったが、今回のこれはあまりにも酷すぎる。

 このゲーム、私は既にログインボーナスのみを受け取る状態、ログボ勢だった。熱心に遊んでいるプレイヤーがログボ勢に変わるには色々な理由があるだろう。「飽きた」とか「時間がない」とか「他のゲームを始めたから」とか。
 しかし、それが「ゲームシステムの欠陥のため」となると、これは遊ぶ側ではなくコンテンツを提供する側の問題である。
 先日、アトリエオンラインについて「家庭用ゲーム的な部分とソーシャルゲーム的な部分が適合不全を起こしている」と書いたが、アナザーエデンはその典型例だ。

 これも繰り返しになるが、私はアナザーエデンを「課金圧の低いゲーム」とはまったく思わない。確かに、ランキングやPVP要素は存在しない。だが、例えば「艦これ」や「かんぱにガールズ」や「FGO」といった私が遊んでいる他のゲームと違い、アナザーエデンには「ストーリーが進行していなくても遊べる季節イベント」のようなものがない。よって、それらによって使用キャラや装備が増え、あるいはPCが強化されてメインストーリーの進行が楽になる余地は皆無である。
 言い換えると、手持ちのキャラでゲームの進行が困難になったら、ガチャを引いて打開する以外何もできないゲームなのだ。このゲーム、クリア後は知らないが、少なくとも中盤まではゲーム進行以外のコンテンツがまるでないので、他のコンテンツで楽しむということもできない。装備を変えても見た目に反映しないので着せ替えを楽しんだりする要素もない。行き詰まったらガチャを引くしかやることがないゲームを課金圧が低いゲームと呼ぶだろうか?
 これが家庭用ゲームなら、レベルが足りないからレベルを上げよう、となるかもしれないが、このゲームでは「行き詰っているのがレベルのせいなのか低レアキャラしかいないせいなのか、プレイヤーに判断する術がない」ので、レベル上げに専心するモチベーションも上がらない。


 プレイした感触やあちこちのサイトを見る限り、アナザーエデンはストーリー進行の中盤で、ガチャで引く優秀な回復役と全体攻撃魔法の使い手がいないとキツいバランスである。これはある意味必然だ。普通に加入する仲間だけで簡単にクリアできるなら、誰もガチャなど引かない(やり込みレベルでなら、ガチャキャラなしでの攻略もできるのかもしれないが)。
 私もストーリーを中盤まで進めて、先に行くのが苦しくなったため、無料石を貯めてそれなりの仲間が加入してくるのを待つことにした。どうせ入れ替えてしまうのであれば、低レアのキャラのレベルを上げて進行しても意味がないからだ。
 ところが、実際それなりのキャラを引いてから、はたと気づいた。ガチャで引くキャラは、加入する段階ではレベル1である。ということは、既存のメンバーと同じとは言わないまでも、ある程度レベルを上げないと使い物にならない。
 しかし、今私のストーリーが進行しているポイントでは、レベル1のキャラをパーティに入れても、敵の攻撃でほぼ一撃で死ぬ。もちろん経験値は入らない。
 ドラクエ型のゲームなら、歩いて序盤のフィールドに戻ることもできたかもしれない。だがアナザーエデンはクロノトリガーリスペクトの作品である。覚えている人もいるかもしれないが、クロノトリガーで黒鳥号で自由に時間を移動できるようになるのは、かなり後半である。このゲームも同じだ。私はゲーム開始時の時代から何度も時間を移動している。今の時代においては「今いる場所」が「スタート地点」だ。戻ることはできない。
 もちろん、ここに来るまでのパーティメンバーはいるから、新規メンバーとの混成パーティなら何とかレベル上げできないこともないかもしれない。敵のラッキーヒットに怯えながらであれば。また、一応パーティメンバーには控えのメンバー枠もあるので、控えに置いておくという方法もある。ただし他のメンバーが一人でも倒れれば前に引きずり出される。
 しかも、今私がいる場所はFOEよろしく超強力な敵キャラがうろついており、見つかれば新規既存関係なく全メンバーが即死である。そしてこのゲームは、左右にしか移動できないので、敵の脇を通り抜けて逃げることができない。
 加えてこのゲームは「前のセーブデータに戻る」こともできない。ソシャゲだからだ。最初からやり直すのであれば引いたキャラは無駄になる。

 とはいえ、詳しい人に言わせれば、現状はどうしようもない状態ではないかもしれない。頑張れば進める、と言われるかもしれない。私が手を止めたのは、今どうしようもないからというより、この先ゲームが進んでも、同じ状況が何度も起こり得るからであり、強力なレアキャラが実装されればされるほど、不毛な作業が発生するという、当然想定される状況に何の配慮ないということにうんざりしたからである。途中で何かの打開策があるのかもしれないが、調べる気すら起きなかった。

 私が遊んでいる、あるいは遊んでいた他のソーシャルゲームと比べよう。艦これもかんぱにもFGOもメガテンも、過去に遊んでいた白猫も、タッチ1回で最初のクエストに戻れる。
 かんぱにはイベントで全体攻撃の弓でも1個拾ってくれば、新規キャラがいても何の苦労もなくパワーレベリングできるし、最近実装されたシステムではレベルアップ用のアイテムが落ちるため、新規加入のキャラをパーティに入れなくてもレベル上げは簡単だ。
 FGOの種火システムは最初抵抗があったが、よくよく考えると、レベルを上げたいキャラで出撃する必要がない、つまりソシャゲ用に考えられたシステムなのだというのがわかってきた(かんぱにの新システムはこれを逆輸入したものだろうと思っている)。


 これはあくまでも一例だ。このゲームでは、他にも似たようなもどかしさを感じる場面がちょくちょく出てくる。要するに、家庭用ゲーム的な部分とソシャゲ的な部分が干渉し合っているのだ。
 かなり前のエントリで、私はiOSAndroid両デバイスについて、次世代のゲームデバイスとして期待していると書いたことがある。アナザーエデンはその期待を粉々に撃ち砕いてくれたゲームである。
 スマホ向けのゲームと、ゲーム専用機向けのゲームは別物だ。スマホゲームの宣伝文句をとしてしょっちゅう見かける「家庭用ゲーム機並みの~」なんていう文句は、どちらにとっても褒め言葉にならない。スマホ向けとしてはスマホに特化したゲーム、ゲーム専用機向けとしては専用機向けに特化したゲームこそが面白いに決まっている。私にとってこのゲームに価値があったとすれば、そのことを教えてくれる反面教師になったことだろう。
 残念ながら、アナザーエデンは両方のいいとこ取りをしようとして、悪いところが相乗効果を起こしたゲームである。それだけなら笑える残念ゲーで済んだかもしれない。しかし、運営がユーザーの信頼を裏切ったことで、許されざるクソゲーとなった、というのが私の正直な感想である。


 ──とまぁ、このような文章を石が配られた直後に怒りに任せて書いたものの、アップする機会を逸していた。その後アナザーエデンの運営がプレイヤーに対して真摯に真相究明をしようという姿勢を見せるなら、そのまま消去するつもりだった。ところが実際には運営会社は退社したディレクターに全責任を押し付け、押し付けられたディレクターはツイッターアイコンを羊(言うまでもなくスケープゴートだろう)に変えるという、誠意のかけらも見えない泥沼の状況になっている。
 私自身、最後にせめて観察だけはしようかと思いアイコンだけは残していたけれど、黒苺がこうなってしまっては是非もない。「削除して清々するゲーム」など、滅多にできる体験できるものではないし、この先も他にはないことを願っている。