どう考えても自業自得なんだよなぁ……。
本当は元ネタの方こそ「お前まず自分の家でやれよ……」という案件があったけど(笑)。
コロコロ少年の思い出(21)・ファイティングファンタジー・後編
- 作者: グレアム・ボトリー,スティーブ・ジャクソン,イアン・リビングストン
- 出版社/メーカー: 書苑新社
- 発売日: 2018/04/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ずっと後になり、私もタイタンそのものが魅力的な世界設定であることに気づいた。また同じプレイグループの中に、やはりタイタン世界を舞台とするゲームブックなどを遊び、知識や思い入れのあるプレイヤーがいる環境になった。
私は本棚の奥からアドバンスド・ファイティングファンタジーを引っ張り出した。今ならこのゲームを楽しく遊ぶことができるのではないか?
しかし、私はそこではたと気づいた。タイタン世界やファイティングファンタジーが好きなプレイヤーとは、すなわちゲームブックを遊んでいて、この世界に思い入れがあるプレイヤーである。火吹山やバルサスやソーサリーのことはもう知り尽くしているのだ。そんなプレイヤーが、もう一度ソーサリーをなぞるシナリオを遊んだとして、面白いと感じるだろうか?
仮に、ストーリーを知らない新規プレイヤーと一緒にこれを楽しむとすると、今度はガンジーやらミュータントミートボールやら女神像の前で一発即死が待つことになる。このデッドリーさはゲームブックだからこそ許されるものであって、TRPGで同じことをやっていいものではないだろう。
何かの参考になるかとアドバンスド・ファイティングファンタジーのリプレイを読んで、目が点になった。
(この先、辛口になりますので一応折り畳みます)
日本語版アドバンスド・ファイティングファンタジーのリプレイは単行本化されているものの、これは前半部分だけである。単行本ではあたかもそこで冒険が終わっているように書かれているが、実はウォーロック誌(昔のほうの)では作者を変更して続きが書かれている。そこではなんと「バルサス・ダイアの妻にして前半のラスボスだったルクレツィアがポッと出のNPCに後ろから刺されて死ぬ」という衝撃の展開が待っている。なお、その作者はこの後のウォーハンマーTRPGの連載でも、背景世界であるオールドワールドを支えている柱をPCに叩き折らせている。
ルクレツィアを殺すのは構わない。絶対に倒されるべきでない悪役などいない。ただ、その死に様や設定に、当時の私はシャドウランの東京やハイパートンネルズアンドトロールズのドラゴン大陸の設定と同じ印象を抱いた。つまり「これは本国で公式設定に採用されることは絶対ないだろうな」というものだ。自分で作った背景世界、自分で作ったルールシステムなら好きにすればいいと思うが、もし本国の公式設定とオリジナル設定が矛盾したら、その後どうやって展開するつもりだったのだろうか?
そして、アドバンスドファイティングファンタジーの日本語版の展開はシナリオとリプレイ1冊を持って終了した。*1ウォーロック誌では「ブラックサンド」というサプリメントがあることも紹介されていたものの、日本語版が出ることはなかった。このゲームをどうやって遊んだらいいのかイメージがつかめなかった私は、結局アドバンスド・ファイティングファンタジーのセッションをすることはなかったのである。
*1:「タイタン」や「モンスター事典」の発売は、日本ではアドバンスドファイティングファンタジーの発売より前。つまり無印版のサプリと呼ぶべき位置づけである。